日本出版販売株式会社（以下、日販）と株式会社図書館流通センター（以下、TRC）は、公共図書館内に書籍や文具、地域商材を販売する新しい形のショップ「TOSHOP（トショップ）」を設置する実証実験を開始する。実験は和歌山県海南市、愛知県日進市、石川県野々市市の公共図書館3館で順次スタートし、2026年度の本格稼働を目指す。
目次
図書館に“モノを買える場所”という新たな付加価値を
TOSHOPは、図書館を「本を借りるだけの場所」から「文化と人が交わるコミュニティセンター」へと進化させることを目的とした取り組みだ。書籍を中心に、文具雑貨や日用品、地域ならではの逸品などを取りそろえ、図書館に足を運ぶ新たなきっかけを創出することを目指している。
この取り組みによって、これまで図書館を利用しなかった層にもアプローチし、結果的に読書人口の拡大にも寄与することを期待している。
実証実験は3つの図書館で段階的に実施
実証実験の対象となるのは以下の3館。地域特性や来館者数、運営体制の多様性を踏まえ、継続可能なモデルを構築していく方針だ。
TOSHOP 海南nobinos（和歌山県海南市）
- 実証開始：2025年5月31日（土）
- 住所：和歌山県海南市日方1525番地6
- 営業時間：9:00〜21:30（施設の開館時間に準ずる）
- 施設HP
TOSHOP 日進市立図書館（愛知県日進市）
- 実証開始：2025年6月28日（土）
- 住所：愛知県日進市蟹甲町中島3番地
- 営業時間：平日9:00〜20:00／土日祝9:00〜17:00
- 施設HP
TOSHOP 学びの杜ののいち カレード（石川県野々市市）
- 実証開始：2025年7月下旬（予定）
- 住所：石川県野々市市太平寺4丁目156番地
- 営業時間：9:00〜22:00（施設の開館時間に準ずる）
- 施設HP
図書館と書店の「次の形」を模索する日販の挑戦
日販はこれまでも「文喫」や「ほんたす ためいけ」など、書店や読書空間の新たな在り方を提案してきた。「TOSHOP」はその延長線上にある実験的試みであり、TRCとの連携を通じて、図書館という公共空間の価値をさらに高めようとしている。
本事業では、商品構成、オペレーション、利用者動向などを半年間かけて検証し、図書館が大きな負担を負うことなく導入可能な「店舗パッケージ」としての展開を見据える。
