神奈川県横須賀市は、2024年度のふるさと納税寄附額が7億2,365万円(前年度比約164.8%)となり、制度開始以来の過去最高額を記録したと発表した。寄附件数も17,701件と前年の約1.77倍に伸長。返礼品数・事業者数の大幅な拡充や、寄附者視点を意識したページ改善などが奏功したかたちだ。
返礼品提供事業者は当初の66社から144社に、返礼品数は262品から1,445品に増加。運営支援を行う株式会社スチームシップが市内に拠点を設置し、現地密着の営業体制を敷いたことで、事業者との連携強化が加速した。特に、宿泊・体験型の返礼品開発が寄附全体の約41%を占めるまでに拡大している。
また、ページ内画像や説明文の刷新により返礼品の魅力を訴求しやすくし、寄附額拡大につなげた。さらに、特定の返礼品に関連する事業への寄附金活用を導入。たとえば、マリンスポーツ体験やJリーグ横浜F・マリノス関連返礼品の寄附は、それぞれ地域活性化事業に半額を充当する仕組みとし、寄附者が地域貢献の実感を得られる工夫も施している。
今後も市は「地域資源の魅力を全国に届ける」ことを方針に掲げ、ふるさと納税を通じた交流人口や関係人口の創出を進めていく方針。地元事業者や関係各所との連携のもと、地域経済活性化を支えるふるさと納税のモデルケースとしての注目が高まっている。