農林水産省は8月1日、アラブ首長国連邦(UAE)に輸出支援プラットフォームを設置したことを発表した。中東、とくにUAEは新興市場として期待されており、物流のハブ、そして日本食への関心の高まりを背景に、近年輸出が伸長していた。今後、輸出支援プラットフォームが中心となり、現地でさらなる輸出促進に取り組む。
中東は、北アメリカも含めて「MENA市場」と呼ばれ、その人口増加(2023年には5億人)や厚い若年層(平均年齢29歳)を特徴とする新興市場として注目されている。そのなかでもUAEは総人口を上回る数の観光客が来訪すること、さらには中東有数の港や空港を擁する物流のハブであること、そして大型展示会が頻繁に開催されることもあり、中東地域に日本産食品を普及させるうえでふさわしい拠点として期待されている。
2023年時点においても、UAEへの日本からの農林水産物・食品輸出は約88億円。5年前と比較すると2倍以上に増加していた。
一方で、イスラム圏である中東では「ハラル」への対応が必要だった。UAEの多様な国籍を背景とした、多彩な食文化があるなかで、日本料理に限らずさまざまな国の料理において、日本産食品の活用幅の拡大を図ることが重要だったという。この課題に対処し、UAE向けに輸出を担う事業者等への支援を強化するため、輸出支援プラットフォームを設置した。
輸出支援プラットフォームは、在外公館・ジェトロ事務所が協力し、官民一体での更なる輸出促進に取り組む。
現時点での活動方針は以下の4つ。ジェトロ事務所と在外公館が協力し現地の事業者等と連携を図り、日本産農林水産物・食品のさらなる輸出拡大に向けた取り組みを進める。
- 食品輸出に関連する情報発信(市場の特色・トレンド、ハラル等)
- 日本産食材の魅力発信(現地有名シェフによる新メニュー提案等)
- 現地での販路開拓支援(現地バイヤーとの商談機会の提供)
- ビジネス環境整備(規制対応、現地政府への働きかけ等)