兵庫県養父市明延のシンボル タバコ店再生プロジェクト始動「面白がってくれる人に関わってほしい」

明延
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社会福祉法人三股町社会福祉協議会は7月26日、兵庫県養父市明延(あけのべ)にある「小林たばこ屋」の“再生”に向けたプロジェクトの説明会開催を発表した。説明会は8月16日(金)14時から、18時からの2回に分けてオンライン(Zoom)で開催する。ともに1時間30分程度を予定。
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明延にはかつてアジアを代表する錫鉱山があった

兵庫県養父市明延は国内有数の鉱山の町だった。古くは奈良時代から、東大寺の大仏鋳造の際に、産出した銅を献上したと伝えられている。1909年ごろには錫(すず)鉱脈が発見され、日本にとどまらずアジアを代表する規模の錫鉱山として発展した。

最盛期の中心部には、病院や購買会、娯楽館、協和会館など、従業員のために作られた施設だけでなく、電気店や飲食店、理髪店などの個人商店もあった。当時の鉱山関係の人口は4,123人にものぼる。

しかし、1985年のプラザ合意後の急激な円高に伴う銅、亜鉛、錫の市況の下落により、採算が合わなくなり、1987年1月31日午後11時20分の発破を最後に採掘を停止。同年3月で閉山となる。閉山後は高齢化が進行し限界集落になってしまった。

明延は現在も限界集落ではあるものの、同地区には探検坑道や一円電車など、鉱山の歴史を伝える観光資源が豊富にあり、外の地域からの来訪者は微増している特徴がある。実はこの明延にはSNSでたびたび話題にあがる近代建築的にも評価が高い空家もあるという。それが件の「小林たばこ屋」だ。

今回のプロジェクトの目的は、小林たばこ屋を「地域に住む人々同士の交流拠点」と「外の人との交流拠点」という2面的に再生させ、多面的で多様な人々が新たなつながりを生むプラットフォームとして創出することだ。

なんとしても残したいという強い想いがある

明延ではこれまでも盛んに地域活性化に向けた取り組みにチャレンジしている。明延区や『鉱石の道』明延実行委員会、大学生が中心となり、一円電車の復活や、鉱山従事者が住んでいた社宅のコミュニティスペースとしての再生など、観光化やコミュニティづくりに取り組んでいた。

そのなかでも、今回の小林たばこ屋は、多くの人の記憶に残る地域のシンボル的存在であるという。先にも記載のとおり最近では、左官技術を駆使した珍しい龍の立体看板がSNSで話題となったそうだ。

三股町社会福祉協議会によるプレスリリースでは、この取り組みを実現させるために「全国の多様な人々のアイデアや力が必要だと考え、住んでいる地域に関係なく、このプロジェクトに興味を持ち、面白がってくれる人に関わってほしい」と述べている。

このプロジェクトそのもののキモは、地域おこし“遠隔隊”だ。地域おこし遠隔隊とは、地域おこしの新しい形態として、遠隔地から地域のプロジェクトに参画する取り組み。自分の生活拠点を移すことなく、基本的にはインターネットなどの通信手段を活用しながら地域のプロジェクトに参画し、スキルやサポートを提供できる。そのため、物理的な距離にとらわれることなく、地方の課題解決や活性化に関わるチャンスを増やせる。参画のハードルを一気に下げる取り組みだ。

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