高齢者の移動手段、進むコミュニティバスの無料化 福岡県春日市は敬老の日から70歳以上を対象で

春日市
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福岡県春日市は、市内を走行する「コミュニティバスやよい」において9月16日(月・祝 敬老の日)から70歳以上の居住者を対象に運賃を無料化する(要事前申請)。

無料化の背景には、以前から同市で計画されている「地域共生交流施設」の整備がある。地域共生交流施設には、総合スポーツセンターやふれあい文化センターなどがある市の中央部に複合施設として、「社会福祉センター(春日市社会福祉協議会)」「老人福祉センター『ナギの木苑』(温浴施設あり)」などを、移転・集約しようとしている。また、この施設には交流スペースやカフェ、コンビニエンスストアなども整備することで、既存のスポーツ・文化施設との相互交流を図り、市民の憩いの場として賑わいの向上を狙っている。

交通手段が限定された高齢者の方にも複合施設に多く来てもらうために、施設オープンに先駆けてコミュニティバスの無料化に至ったそうだ。

70歳以上の運賃が無料化されるコミュニティバスやよいは、平成15年から運行開始。現在では7路線あり、市中央部にあるバスセンターで乗り継ぐことで、市内すべてのバス停からバス停までの往来が可能だそうだ。運賃は一律で小学生以上100円(小学生未満は無料)。

70歳以上の人が無料でコミュニティバスやよいを利用するには事前の申請が必要。詳しい申請方法などは市の当該ページにて。
春日市コミュニティバス70歳以上運賃無料化

これは筆者がふと思いついただけの話だが、コミュニティバスやよいのケースのように、特定の施設を使ってもらうためにバスを無料化するのであれば、無料でバスを利用した高齢者が施設でどのように過ごし、何を求めているのかなどまで追えると、新しい事業や課題、ニーズが見つかりそうだなと。というのも、コミュニティバスやよいでは無料になる申請をした70歳以上の方に対し「専用のICカード」を用意するのだが、これをバス利用だけにとどめず、施設などでも何かしら使えれば、パーソナライズしたサービスの提供のきっかけにもなりそうではないかと思った次第だ。

Suicaなどの交通系ICカードが行動ビッグデータとして扱われる始めているように、地域密着型のビッグデータの創出としてこういった一連の取り組みが地域ごとにポツポツと浮上していくと、独自モデルとしての地域活性化を確立させられそうだなと感じた。

おそらく、すでにこういった取り組みを進めている自治体もあると思うが、地域ごとに住民が抱えているニーズは異なるため、独自ニーズを見抜くためにも追えるデータは追っていったほうがいいのかもしれない。もちろん、データ取得の了承やデータの活用先の明確化などは必須だが。

春日市

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