農家の収入向上や安定化が狙い――大阪府泉大津市と和歌山県かつらぎ町が農業連携協定を締結

農業連携協定を締結
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大阪府泉大津市は10月15日、和歌山県かつらぎ町と農業連携協定を10月1日に締結したことを発表した。

泉大津市は、「市民の健康増進」および「食料危機への備え」の観点から、食糧を国内の農業の持続的発展に寄与する形で安定的に確保していくため、令和5年3月に「安全・安心な食糧の安定的確保に関する構想」を策定していた。同市は昨年度から、本構想の実現に向けた農業連携先となる自治体の募集を開始。今回のかつらぎ町との取り組みは全国8自治体目となる。

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遊休農地の解消や有効活用や生産者の収入向上、安定化を狙う

かつらぎ町は、温暖で恵まれた気候から年間をとおして果樹を栽培する“フルーツ王国”。柿やすももなどのさまざまなフルーツが栽培・収穫されている。

しかし、同町では農業従事者の減少などの農業課題がある。そこで今回の連携によって、消費地となる都市部への安定的な生産・販売に繋げ、遊休農地の解消や有効活用に繋げていくことや、生産者の収入向上や安定化を狙う。

今回の連携における取り組みでは、泉大津市の学校給食で同町のみかんを提供し、子どもの健全な育成発達や食育を図るそうだ。

また、泉大津市とかつらぎ町は自動車でおよそ1時間程度の距離にあることから、季節に応じた旬の農作物の消費拡大や、農業体験事業等による関係人口増加を目指すという。

「10年15年先の手立てを講じていかないと、農業の振興が途絶えてしまう」

プレスリリースでは泉大津市とかつらぎ町のそれぞれの首長からコメントが寄せられていたのでそのままお届けする。

泉大津市 南出市長

本市とかつらぎ町は、車で1時間という地理的な優位性を活かし、まずは12/5の学校給食で新鮮なみかんを提供させていただきます。これを機に、距離の近さを活かした双方の課題解決につながるような取組みを実施したいと考えています。かつらぎ町では、農業従事者の後継者不足や減少、遊休農地の問題等が課題となっているとお聞きしました。そこで、我々都市部が、かつらぎ町に訪問し、農業体験等を実施させていただくことで、かつらぎ町の課題解決につながると共に、我々にとっては普段はできない素晴らしい体験の機会や学びの獲得に繋がると考えています。

また、顔と心がつながる関係性を構築したうえで、共存共生の食のサプライチェーンを作ることが、安全保障にもつながります。国を支えてくれている農業の現状を都市部に発信し、都市部が農山村に橋をかけ、農業を活性化させることで、日本全体で日本の未来をより良くしたいと考えています。

かつらぎ町 中阪町長

本協定の締結によって、本町の果樹を中心とした農産品を提供できる仕組みが構築され、まず最初の連携として、泉大津市の学校給食に「みかん」を提供できること、大変嬉しく思います。昨今では、全国的に後継者不足が深刻な状況であり、本町においても78%の農家が、後継者がいない状況となっています。

本町でも、10年15年先の手立てを講じていかないと、農業の振興が途絶えてしまうと考えていた中、本連携により安定的に農産品を提供できる仕組みが実現し、農家にとっても非常にありがたいと考えています。

今後も農業を皮切りに、様々な分野で連携を進めていく所存です。

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