空き家活用株式会社は12月11日、ぞれぞれの自治体における空家対策計画、ならびに施策の実施状況等から空家対策に成果をもたらす政策策定と推進の型である「アキカツ モデル」を発表した。
「アキカツ モデル」は、基礎自治体が抱える問題解決が最優先であるという考えからスタートしたそうだ。基礎自治体での財源縮小、職員の数や専門性が不足している状況を受け、問題の解決を自治体に依存するのではなく、自治体・民間・地域団体や事業者が有機的なつながりをもって推進すべきという考え方にもとづいて開発に至った。
基礎自治体が空家対策計画を策定する際の、考え方と推進の型を指すのが「アキカツ モデル」だという。以下の4点が主なポイントだ。
- 基本の型:地域の空家対策推進における自治体の力への依存から脱却。新たな空家対策推進の「官-民-地域連携」
- 政策策定支援:各自治体や地域の状況から導き出される政策の組み合わせ
- 政策推進:目標達成に向けた「準備・導入・稼働・効果検証」のガイドライン
- 政策の評価と必要な政策の型診断:質問への回答でわかる空家対策診断と分析
これまで実施されてきた官民(地域)連携の、現状起こっている問題や抱えている課題は「基礎自治体の管理工数が大きく、数ある事業者との連携に負荷が大きい」「政策や事業が地域のなかに閉じてしまうため、全国の好事例や良い事業者の導入機会がない」「関係者が連動しながら事業を推進することが望ましいが、ハブとしての機能を果たす役割が存在せず、成果を出すための連携が実現しない」などが挙がっていた。そのために、成果が生まれづらい構造的な問題を打破する新たな構造として条件を満たす「民」を活用し、「官 – 民 – 地域」連携を推進することが必要だと空き家活用株式会社は述べる。
「アキカツ モデル」では無料簡易診断も提供されている。これは空家対策に関する設問に回答するだけで、実施できていることの可視化や簡易な評点化をするというもの。無料簡易診断とは謳っているが、考え方と推進すべき型を提示し、差異を可視化することで、これから取り組むべきこと、注力すべきことの把握を推進してくれる。
千葉県君津市 建設部建築課 住宅政策係 古明地 悠氏はこのアキカツモデルについて次のように述べている。
今回発表された「アキカツモデル」は、これまで自治体が中心となり地域の事業者や団体との間で進めてきた空家対策で抱えていた課題をクリアし、さらに対策を進める理想的な考えであると理解しています。君津市では、これまで以上に空家対策を推進するために、「アキカツカウンター」を中心として、民間企業、地域事業者、自治会との連携を深め、魅力あるまちづくりを進めていきたいと考えています。
実施施策:君津市アキカツカウンター https://navi.aki-katsu.co.jp/kimitsu_counter
成果:民間・地域連携での相談体制の整備により、相談数増加と対処事例の創出