停電を乗り越え、茨城を日本一のキャビア生産量へ チョウザメ養殖「非常用電気設備」クラウドファンディングで実現目指す

クラウドファンディング
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茨城県桜川市にある有限会社つくばチョウザメ産業では、「霞ヶ浦キャビア」を養殖・販売している。この霞ヶ浦キャビアをきっかけに茨城県をキャビア生産量日本一にしようとする動きが巻き起こっている。そのための設備をクラウドファンディングを活用して実現させようとする取り組みが始まった。

クラウドファンディングは「CAMPFIRE」で実施され、目標金額は300万円。集まった資金は養殖で使う非常用電気設備に充てられる。期間は1月31日まで。

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農家の副業としてのチョウザメ養殖

霞ヶ浦キャビアの特徴は、低塩分で熟成された味わいだ。市場に出回る一般的な輸入キャビアは、長期保存できるようにするために塩分濃度は7から10%ある。「キャビアはしょっぱい」と言われる理由はこのためだ。一方、霞ヶ浦キャビアは塩分濃度2.5%以下で熟成させている。これは、キャビア本来の風味を楽しんでもらうためだという。キャビアの監修にはフレンチの名店「Chez Inno(シェ・イノ)」古賀純二総料理長が携わった。

茨城県におけるチョウザメ養殖は、2010年につくば市での取り組みから始まった。2023年には茨城県ブランド「霞ヶ浦キャビア」としての一歩を踏み出している。

有限会社つくばチョウザメ産業の先代・酒井幸宏さんがチョウザメ養殖に乗り出したきっかけは、農業と地域の未来を守るため、休耕地の活用や農家の副収入源を確保するためだった。同社がある茨城県桜川市は、古くから桜の名所として親しまれている。しかし、農家の高齢化や後継者不足が進み、この美しい田園風景が失われる危機に直面していた。こうした課題を解決し、地域の経済・産業を活性化させるために同社はチョウザメ養殖に取り組んでいる。

1,500尾のチョウザメが死亡、被害総額は約790万円

クラウドファンディングで集まった資金は、非常用電気設備の導入に充てられる。チョウザメ養殖における、安定した生産体制を整えるためだ。

この背景には、2024年3月に発生した桜川市での停電の発生がある。約3時間半にわたる停電により、水槽への酸素供給が停止。その結果、約1,500尾のチョウザメが死亡した。被害総額は約790万円。電力会社に問い合わせても原因は不明、補償はなかった。

当時について「心が折れそうになった」とプレスリリースでは述べられている。しかし、この地域の未来を支えるためにも踏ん張ることを決意。そしてこのような災害への備えとして非常用電源設備の設置を考えている。

チョウザメのオーナーになれる権利などのリターン

クラウドファンディングの支援者には、主に以下のリターンが用意されている。

  • 「霞ヶ浦キャビア」お試し10g(6,500円)
    フレンチシェフ監修の極上キャビアをご家庭で。
  • 養殖場見学+古民家ランチ+キャビア等のお土産付き(20,000円・25,000円)
    親子(大人2人・小人2人)でふれあい体験!小学生以下はチョウザメと触れ合える。
  • チョウザメオーナー(150,000円)
    約1年後に卵を持った状態で、一尾まるごと送られる。

そのほか、屋外養殖場銘板に支援者・支援団体の名前を記載したり、自宅で食べられるチョウザメ特別セットなども用意されたりしている。

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