農林水産省では、消費者に日本の「食」と「農」を取り巻く課題を身近なものとして考えてもらうための国民運動「食から日本を考える。ニッポンフードシフト」を展開している。1月25日(土)と26日(日)の2日間、農林漁業者や食品事業者と消費者の皆様方とをつなぎ、日本の「食」や「農」をめぐる事情や課題をともに考えるイベント「食から日本を考える。NIPPON FOOD SHIFT FES.大阪」を、グランフロント大阪で開催する。
このイベントを通じて、食料システムを支える生産現場における取り組みの紹介、Z世代の若者を中心に食と農の理解を深めるワークショップ、国産の魅力を存分に発信するマルシェでの販売等を実施する予定だ。
主なイベント内容
ステージプログラム
おにぎりから、ニッポンフードシフト。
関西の米屋、おにぎり屋の代表者等によるオープニングトークセッションを実施する。日本の身近な食であるおにぎりが、日本の地域を、そして未来をどう変えていくのかについて各々の視点で語り合い、日本の食について考える時間だ。
青森県から、ニッポンフードシフト。
株式会社ヴィレッジヴァンガードコーポレーションのZ世代の社員が青森県へ出向き、青森県漁業協同組合連合会とハウス食品株式会社の協同により開発したレシピで、青森県産のベビーホタテ等の水産物を活用したクリームシチュー作りを体験。青森県の水産現場での体験を通じた気づきについて話し合う。その他、食物・栄養学や過疎地域の活性化について学ぶ大学生のプレゼンテーション、農業やデザインを学ぶ学生による食に関する課題解決に向けてのディスカッションを開催する。
ワークショップ「食から日本を考える。」
日本の「食」と「農」が抱える課題や目指す未来について、3つのプログラムでワークショップを展開する。
米の消費拡大について
米の消費量が減り、日本の食料自給率は38%となっている。米の生産現場の現状を踏まえ、日本における食料安全保障の観点からも、米の消費拡大に向けて私たちに何ができるのかについて語り合い、発表する。
関係人口の創出について
日本全体が人口減少社会を迎える中、農村に関わる人を確保するためには、地域と多様に関わる関係人口(企業を含む)を農村に呼び込み、農村の活性化を図ることが重要となっている。これらを踏まえ、農村の関係人口(企業を含む)を増やすための手段や、持つべき視点、さらには今この時点からできることについて話し合う。
持続的な農業について
日本の食料・農林水産業は、大規模自然災害、地球温暖化、生産者の減少および地域コミュニティの衰退などの政策課題に直面している。課題解決に必要な、持続可能な農業とはなにか、またそのために、消費者の意識や行動をどう変える必要があるのかなどについて、ともに考え、意見をまとめていく。
展示
マンガ家になる前に、北海道で実家の酪農・畑作業に従事していた荒川 弘先生の農家エッセイコミック「百姓貴族」(株式会社新書館発行・隔月刊「ウィングス」連載中)。記念すべき連載1頭目(第1話)や100頭目(第100話)の複製原画を展示する。
また、「米は力だ!」をキャッチコピーに、ヒノエ島を舞台に島を支配する鬼と闘う爽快なコンボアクションと日本古来の米づくりを深く再現したシミュレーション要素が融合したユニークな和風アクションRPGゲーム「天穂のサクナヒメ」を2024年にアニメ化。アニメカットとともに、農林水産省と連携した米にまつわる「米知識」を展示する。
推進パートナーの活動紹介
三菱ケミカル株式会社が世界で唯一生産している、天然樹木を主原料とした素材「ソアロン」を活用したエコバッグを展示するとともに、当日ニッポンフードシフトの活動に参加した100名(先着50名/日)に配布します。
また、株式会社さとふるは、環境にやさしい手法で栽培した農作物に表示している農林水産省の「みえるらべる」を取得した、ふるさと納税のお礼品を紹介展示する。
マルシェの開催
食の未来を見据えて実際に行動に移している生産者と交流しながら、彩り豊かで新鮮な野菜や加工品などを楽しめるマルシェを多数出店。農産物・加工品以外では、山梨県北杜市のうちゅうブルーイングと京都芸術大学 宇宙部(SOLAB)とのコラボレーションで創り上げた、2種のクラフトビールを販売する。