高知県、商店街でAIカメラによって人流データを取得へ 新たな企画立案やマーケ活動が狙い

電気興業株式会社
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電気興業株式会社は7月18日、高知県高知市の帯屋町筋(おびやまちすじ)商店街における、AIを用いた人流データを取得するシステムの整備開始を発表した。

この取り組みでは、デジタルデータを活用した経営課題の解決や商店街の活性化を目的としている。

目次

正確なデータに基づいた企画立案やその企画の効果検証が課題だった

帯屋町筋商店街は高知市中心部に位置し、高知県を代表する商店街のひとつ。東西700メートルにおよぶアーケードでは、全国的にも有名な「よさこい祭り」が開催されている。

歩行者や車両などの通行量調査は、これまで年4日間、調査員を配置して人力で実施していた。しかし、調査データは調査日当日の天候やイベントの有無、調査員の熟練度によりその品質が変動するため、正確なデータに基づいた企画立案やその企画の効果検証が課題だった。

この課題を解決するため、デジタル技術を活用し人流・交通データを常時把握し、より有用性の高いデータを取得するため、帯屋町筋商店街にAIカメラ5台を設置し、人流・交通データを取得するシステムを導入するに至った。

導入するAIカメラやシステムを提供する電気興業では、2023年5月に岩手県盛岡市で同様の製品の導入事例がある。

AIカメラやシステムの導入により、帯屋町筋商店街の新たな企画立案および効果検証、商店街全体の活性化などの効果的なマーケティングにつながることが期待される。

AIカメラによって属性データを取得

AI人流・交通分析システムでは以下の情報を取得および、活用するとプレスリリースには記載されている。

  • 帯屋町筋商店街内の5か所にカメラを設置
  • 撮影された映像内の人物を、AI技術を用いて時間帯ごとの人数、属性(男女/世代)、往来の方向を分析
  • 撮影された映像内の車両を、AI技術を用いて時間帯ごとの台数、属性(自転車/自動車など)、往来の方向を分析
  • 取得した分析結果はweb上のダッシュボードでデータ出力
  • 分析結果をもとに効果測定を行い、帯屋町筋商店街の施策の有効性の評価、新たな企画立案等、効果的なマーケティング活動に役立てる
システムイメージ

▲(左)人流分析システムイメージ(右)交通分析システムイメージ(写真出典:プレスリリース

実際に難しいのは企画立案や効果測定のフェーズ

プレスリリースでは、商店街での課題解決に向けたPDCAサイクルも掲載されている。以下がその画像だ。

商店街での課題解決に向けたPDCAサイクル

AIを使ったカメラで属性データを取得し、マーケティングに役立てようとする活動は、自治体や公共機関だけでなく、民間が運営する商業施設などでも実施されてきている。目的は今回の発表の舞台である帯屋町筋商店街と同様に、マーケティング活動に役立て、戦略立案をサポートする、などだ。

しかし、データを活用してうんぬんかんぬんする、というのが実は非常に難しい。

実態としては、データをもとにしたマーケティング活動が正しく実施できているかどうかが不明瞭なケースがある。というのも、誰がデータを読み取れて、誰が企画を立案し、誰が効果測定できるのか。このような人材を確保していない場合があるためだ。要するに、データを取得できる環境が整っただけで、データを利活用できる状況は作られていない、ということだ。

以前からAIなどの先端テクノロジーの業界では言われ続けてきたことだが、「手段の目的化」は避けなければならない。AIカメラのケースでいえば、AIカメラを導入することが目的ではなく、本来の目的は新たな企画立案やマーケティング活動という点であり、もっと言えば収益の増加などのはずだ。

そういった意味でも、今後は電気興業が提供するようなソリューションが増えていくにあたって、データを利活用できる人材も需要がさらに増していきそうだ。

電気興業株式会社

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