太陽光発電の未来を守る実証実験がFujisawa SSTで開始 故障・異常、盗難問題の解決を目指す

太陽光発電
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太陽光発電の導入をワンストップでサポートする株式会社サンエーと環境系ITスタートアップの株式会社Nobestが、神奈川県のオープンイノベーション支援プログラム「BAK」に採択され、共創事業として「太陽光発電の故障・異常、盗難問題の解決」に向けた実証実験を開始した。この実験は、パナソニックが推進する「Fujisawaサスティナブル・スマートタウン(Fujisawa SST)」にて実施される。

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太陽光発電が直面する課題

固定価格買取制度(FIT)の適用期間が終わることで、多くの太陽光発電設備が廃棄されることが懸念されている。特に2030年以降、投資回収を終えたメガソーラーの設備が大量に廃棄される可能性があり、産業廃棄物問題として社会的な課題となっている。

また、現在多くの太陽光発電設備では故障や異常が多発している。具体的な問題として、以下が挙げられる。

  • 発電量の低下(パネルの故障、配線の接触不良、獣害や盗難など)
  • パワーコンディショナーの異常やブレーカーの故障
  • 盗難事件の増加(特に銅線ケーブルの盗難が多発)

これらの課題に対応するため、サンエーとNobestは、Nobestが開発したNFCタグ「Nobest-Tag」を活用し、設備情報を管理することで、リユース市場やリサイクル市場での活用を促進する実証実験を開始する。

実証実験の概要

本実証実験では、Nobestが開発した電流センサー「Nobest-Clamp」をFujisawa SST内の太陽光発電設備の主要箇所に設置し、AIを搭載した監視システムで常時監視を行う。これにより、故障発生時に即座に異常箇所を特定し、設備のダウンタイムを大幅に削減することを目指す。

主な実証内容

  • Nobest-IoT:設備の異常をリアルタイムで監視し、データをクラウド管理。
  • Nobest-Tag:NFC技術を活用し、太陽光設備のリユース・リサイクル市場への活用。
  • Nobest-Clamp:電流異常を検知し、即座に原因特定を可能にする新技術。

太陽光発電の今後の展望

2000年代後半から再生可能エネルギーの普及が進み、日本では2012年にFIT制度が導入されたことで、多くの事業者や家庭が太陽光発電を導入してきた。特にメガソーラーをはじめとする大規模太陽光発電所が全国で建設されている。

一方で、政府は2050年までにカーボンニュートラルの達成を目標に掲げており、今後さらに再生可能エネルギーの導入が進むと予測されている。現在は「ゼロエネルギーハウス(ZEH)」の普及が進んでおり、太陽光発電や蓄電池の組み合わせが推奨されている。

今後の展開

本実証実験を通じて、太陽光発電の維持管理を効率化し、故障や盗難のリスクを軽減することが期待される。サンエーとNobestは、実験の結果を基にさらなる技術開発を進め、持続可能な太陽光発電システムの構築を目指している。

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