株式会社日本農業は1月31日に、日本産抹茶をアメリカ向けに初めて輸出した。本輸出では、日本国内で栽培・収穫・製造された合計60kgの抹茶を陸路で運び、中部国際空港からロサンゼルス国際空港へ航空輸送した。その後、現地でカフェを運営する企業に販売したという。
日本茶の輸出額、2024年は300億円
昨今の海外における健康志向や日本食への関心の高まりから、日本茶の輸出額は過去最高額を更新し続けている。2024年の年間輸出額は300億円を超え、そのうち抹茶を含む粉末状緑茶が全体の70%以上を占めた。
日本農業は、「日本の農業で、世界を驚かす」をミッションに、生産から販売までを一気通貫で担い、産業の構造転換を目指している。2016年の設立から、りんごやさつまいもなど日本の農産物のアジアを中心とした輸出を手がけてきた。こうした背景を踏まえ、日本を代表する食材である日本茶(抹茶)の輸出を新たに開始したそうだ。
アメリカではカフェメニューのうち、抹茶ラテなどが人気
アメリカでは、カフェメニューとしてコーヒーと並び抹茶ラテが定番化するなど抹茶の人気が高く、同国向けの輸出額は日本茶全体の約半分を占めている。日本茶の輸出が伸びるなか、日系の消費マーケットにおいては強固な流通基盤が確立されている。
一方で、米国の現地企業向けの販売には、改善の余地のある課題が多くある。複数のプレーヤーが介在することで、トレーサビリティが確保されず産地情報が不明瞭なケースが多く、長いリードタイムにより品質が劣化した抹茶が流通することもあった。より透明性の高い安定した供給体制の構築が求められていた。
日本農業が日本国内の産地から仕入れ、一貫して輸出・販売まで担うことで、製造から1ヵ月程度の抹茶を提供でき、透明性があり高品質な抹茶を最終消費地のアメリカに届けられるという。
今後同社はアメリカ市場に対して、高品質な日本産抹茶の浸透を促進を図っていく。また、抹茶の原料供給にとどまらず、商品企画にも取り組み、潜在的なニーズを掘り起こすことにも取り組む。そしてこれらを通じて、アメリカを中心とした販路開拓を加速させ、日本茶輸出のさらなる拡大に貢献していく。