東京都日野市は、株式会社Another worksと連携し、複業人材を活用した行政課題解決の実証実験を完了した。本実験は、Another worksが提供するプラットフォーム「複業クラウド」を活用し、民間の専門人材の知見を活かすことで、行政運営の効率化と住民ニーズへの対応強化を目的とするものである。
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プロボノとして採用
今回の取り組みでは、大手メーカー出身で経営コンサルタント経験を持つ人材をプロボノとして採用。「気候変動に挑むマネジメントパートナー」という役割を担い、環境政策課と連携してカーボンニュートラルシティ実現に向けた支援や業務効率化を推進した。
複業人材として参加した濱田雄揮氏は、エンジニア、経営コンサルタント、事業開発など多様な経歴を持つ。週一回のオンライン打ち合わせを通して、プロジェクトマネジメント、EMS最適化、気候変動対策施策ロードマップ作成などを支援した。

その結果、業務マネジメントや目標設定に関するノウハウが共有され、部門間連携の強化に繋がった。また、濱田氏の支援により「気候変動対策施策ロードマップ」が策定され、DX推進による働き方改革と脱炭素化の両立といった成果も得られた。
効果的な課題解決に
1月28日に開催された最終報告会では、濱田氏から「市役所の内側に入り、行政への印象が変わった」、Another works猿田氏から「市民目線を重視したコミュニケーション改善が評価できる」、荻原副市長から「こうした取り組みはこれまでになかった。この経験を活かし、今後も業務改善と庁内連携を進めていきたい」といったコメントがあった。
本実験は、行政と民間が連携することで、より効果的な課題解決が可能であることを示すものである。今後の展開に期待が寄せられる。