福島県矢吹町は、デジタル技術を活用した持続可能な町づくりを推進するため、「矢吹町デジタル田園タウン構想事業」に取り組んでいる。本事業は、行政DXと地域DXを両輪とし、住民の利便性向上と庁内業務の効率化を実現することを目的としている。
矢吹町は2021年度に「デジタル田園タウン構想事業基本方針」を策定し、DX（デジタルトランスフォーメーション）による地域課題の解決と経済発展の実現を目指してきた。今後、プレスリリースやSNS等を活用し、各種取り組みの情報発信を強化していく方針だ。
目次
福島県矢吹町の特性
矢吹町は福島県南部に位置し、空港・高速道路・鉄道といった交通インフラに恵まれた立地を活かし、産業・流通の拠点として重要な役割を担っている。町内を国道4号が通り、主要地方道が集結することで、南東北の玄関口として機能している。
デジタル田園タウン構想の主な取り組み
矢吹町は、行政DXと地域DXの両面からDXを推進し、町全体のデジタル化を進めている。
＜取組1＞行政DX
行政サービスのデジタル化を進めることで、業務の効率化と住民へのサービス向上を図る。
- 行政サービスの向上
- 公務能率の向上
- 「ウィズコロナ」対策
- デジタル基盤整備
- 職員向けDX研修
- kintoneアプリ開発による業務効率化
＜取組2＞地域DX
デジタル技術を活用し、町民の生活向上と地域の活性化を目指す。
- 矢吹町の課題に即したデジタル実装
- デジタル人材の確保
- デジタル基盤の整備
- 持続可能で包括的な地域社会の実現
主なDXプロジェクト
① データ連携基盤を活用した「ライフログモデルによる共助型社会」の創出
- 都市OS（地域データ連携基盤）によるスマートシティ推進
矢吹町は、データを収集・統合・分析する「都市OS」を導入し、住民サービスの最適化を図る。 - 産官学連携による共助型社会の実現
企業、行政、大学が連携し、デジタル技術を活用した共助型社会の実現を目指す。 - 同規模自治体との広域連携
東京都狛江市と共同で都市OSを活用し、自治体間でのデータ連携とコスト削減を実現する。
② スポーツ×デジタル振興プロジェクト
矢吹町はスポーツが盛んな地域であり、「多くの人が集まり賑わう町へ」をビジョンに、デジタル技術を活用したスポーツ振興策を推進する。
- 矢吹町スポーツ×デジタル振興プロジェクト（公式サイト：矢吹町スポーツ振興）
- 2024年11月開催予定の「YABUKIストリート陸上」
- 子どもから高齢者まで楽しめるスポーツDX施策の展開
③ AI活用型オンデマンドバス事業
- 高齢者向けの移動支援サービス
- 「矢吹町地域公共交通活性化推進協議会」の設立
- AI活用型オンデマンドバス「のるーと矢吹」導入 （詳細：のるーと矢吹公式ページ）
今後の展望
矢吹町は、DXを活用した地域活性化と行政効率化を進めることで、持続可能な町づくりを目指す。特に、データ基盤を活用したスマートシティ化、スポーツ振興、公共交通のデジタル化を通じて、住民が実感できるデジタル変革を推進する。
本事業の進捗や新たな取り組みについては、町の公式サイトやSNSを通じて発信していく予定だ。
詳細情報は以下のリンクから：
- 矢吹町デジタル田園タウン構想公式ページ：デジタル田園タウン構想事業
- 矢吹町スポーツ振興ページ：スポーツ×デジタル振興プロジェクト
- AIオンデマンドバス「のるーと矢吹」：公式ページ
行政DXと地域DXを融合させた矢吹町の挑戦が、今後の地方創生のモデルケースとなるか、引き続き注目したい。
