2025年4月13日に開幕する大阪・関西万博の会場内において、三井物産株式会社、三菱ケミカル株式会社、株式会社セブン‐イレブン・ジャパンの三社は、店舗で使用・排出されるプラスチック容器等の資源循環に関する共同取組を開始する。
この取組では、セブン‐イレブンが万博会場内に出店する2店舗で使用された食品トレーなどのプラスチック製品を専用の回収ボックスで回収。来場者の協力を得て集めたプラスチックはケミカルリサイクルによって油化され、再びプラスチック製品として資源循環させることを目指す。
万博を通じた「体験型」資源循環スキーム
三井物産はこのスキームにおいて回収プラスチックの買い取りと回収プロセスの構築を担い、三菱ケミカルは、茨城県神栖市に2024年11月に新設された油化プラントにて、回収されたプラスチックを処理・再資源化する。
回収されたプラスチック容器は、熱分解によって油へと変換され、再び製品の原材料として使用される。このプロセスはケミカルリサイクル(化学的再資源化)と呼ばれ、物理的なリサイクルでは難しい汚れたプラスチックや複合素材の再利用が可能になる点が特長だ。
環境行動の“見える化”を通じた来場者への働きかけ
このプラスチック資源循環の取組は、単なる廃棄物処理にとどまらず、来場者の環境意識を高めるための「体験型の啓発」も意図している。店舗内のデジタルサイネージでは、来場者に本取組のプロセスや意義を伝える動画を配信予定。自らが排出した容器がどのように再資源化されるのかを知ることで、環境配慮に向けた行動変容を促すことを目指している。
回収実施期間:万博開催の半年間
- 回収期間:2025年4月13日~10月13日(大阪・関西万博の開催期間中)
多様な価値観と技術が交錯する万博の場を舞台に、三社は来場者とともに循環型社会の未来像を共創する。環境負荷を最小限に抑えるライフスタイルや消費行動の普及に向け、実証を超えた社会実装への第一歩となるか注目される。