日本国内の所有者不明の土地は九州地方よりも大きい 将来的には北海道に迫る可能性も

空き家
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株式会社ドリームプランニングは7月28日、「空き家対策どうなる?所有者不明土地はどのくらい?【アンケート調査を実施】」と題したプレスリリースを発表した。

プレスリリースに記載のアンケート調査では、空き家対策の関連法律、所有者不明土地などについて、インターネット上でアンケートを実施した。

本稿ではアンケート結果云々はもちろんではあるが、日本国内における所有者不明の土地について触れていく。

アンケート結果の詳細

調査概要
調査対象:「日本の社会問題に興味・関心を持っている方」
有効回答:250名
調査主体:株式会社ドリームプランニング
調査方法:インターネットによるアンケート調査
調査期間:2024年6月24日~6月25日

目次

2016年時点ではあるものの、所有者不明の土地は九州地方以上

すでに耳にしたことがある人もいるかもしれないが、日本の所有者不明の土地は2016年時点で約410万ヘクタールあるとされている。九州地方は約367万ヘクタールなので、それを上回る大きさだ。補足的に入れるが、地方ごとに上から北海道が834万、中部が725万、東北が668万、九州が367万、関東が324万、中国が319万、近畿が273万、四国が188万という大きさだ(すべて“およそ”の数値。単位はいずれもヘクタール)。

所有者不明の土地や空き家は、大きな社会問題のひとつだ。当然これらに関していくつかの法令が制定されている。

たとえば、「空き家対策特別措置法」。管理が不十分な空き家において、周囲に悪影響を及ぼす物件を「特定空き家」「管理不全空き家」などに指定し、改善指導に従わない場合は行政代執行できる制度だそうだ。倒壊の恐れがある場合の空き家に対して、周囲の住宅環境等を守るためにこのような特措法が施行される。

また、「所有者不明土地法」も制定されている。これは、所有者不明の土地を円滑に“利用”することと、所有者不明の土地を“適正に管理”する仕組みの両軸で構成される。端的に言えば、所有者が見つからない土地を自治体らが管理できるようになるもので、せっかくの土地なのだからほったらかしにするのではなく、しっかりと住民のために役に立てよう、というものだ。

このほかにも、所有者不明の土地に関する施策はいくつも実施されている。いずれも所有者を明確にすることやその土地を誰が使えるのかを明確にすることで、日本全体で有効利用していくことが目的だ。

所有者不明の土地の広さ 2040年には「北海道」に迫る勢い

ドリームプランニングのアンケート調査では、所有者不明土地(2040年時点)はどこまで増えるかという設問も用意されていた。同社のプレスリリースによると、2040年時点ではおよそ720万ヘクタールになるとしている。これは北海道(780万ヘクタール)に迫る大きさだ。延べの土地面積ではあるが、北海道はチェコと大きさが比較的近しいため、ひとつの国の面積が日本において所有者不明の土地になるかもしれないという話である。

所有者不明の土地を再活用しようと、簡単に言うべきではないものの、有効活用するべきなのは間違いない。ただ、シムシティのように土地の配置を一挙に移動させて大きな区画を作れるという話でもない。仮に、まとまって大きな空地があれば話は変わるかもしれないが、もともと民家だった場所というのが難しい点だ。

日本が抱えている高齢化と過疎という問題は、このような土地の話と密接な関係である。今後見込まれる人口減少によって空き家の数は増えていくとされるため、どのように利用するかはそうそうに各自治体らが検討を重ねていかねばならない。

そもそも空き家になった背景や課題を見抜かなければいけない話だが、空き家一帯を遠い将来的に広大なグリーンフィールド型のスマートシティにするといった展開もありそうではある。

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