株式会社ぐるなびは、全国のぐるなび会員を対象に「日本人の食に関する意識・実態調査」を実施し、物価高騰による食費の増加や国産品への高い関心、さらにはフードテックへの期待が浮き彫りとなった結果を発表した。調査は2025年2月9日から12日の間にWEBアンケート形式で実施され、20代から60代までの2,199名から回答を得た。
月間食費は平均2,000円以上増加 果物・菓子類は消費減
昨年と比較して、米・肉類・野菜の費用がそれぞれ400円以上増加。食費全体では月額2,000円以上の増加となっており、日常的な食材を中心に家計への負担が増している実態が明らかになった。一方、果物や菓子類は支出を抑える傾向がみられ、消費の選別が進んでいる様子がうかがえる。

国産品志向は依然高くも、購入の難しさが顕在化
「必ず国産を選ぶ」との回答は、米・乳卵類で5割以上となる一方、「できる限り国産を選ぶ」層も全食材で4割を超え、全体として国産品への強い志向がみられた。一方で、米と野菜については「国産の購入が難しくなってきた」と感じる人が6割を超えており、志向と現実のギャップも浮き彫りとなった。


食に求める価値は「安さ」「健康」「ロス削減」
食に対する意識としては、「できるだけ安く」「栄養面」「食品ロス削減」「旬や国産などの質」への関心が高かった。特に「安く、でも健康に」という二律背反を抱えながら、気候変動や物価高などの変化に対応しようとする生活者の姿勢がみてとれる。

実現したい食生活の理想と、現実との乖離
「栄養バランスの取れた食事をしたい」「物価高の影響を受けずに生活したい」といった理想を抱く一方で、経済的理由や情報不足などにより、実現が難しいという回答が多数を占めた。備蓄食材の活用を望む声も18.1%にのぼっており、防災意識も一定の広がりを見せている。

飲食店に期待される“実現の場”としての役割
実現できていない理想の食生活を「叶えてくれる飲食店があれば利用したい」と回答した人は約半数にのぼり、食品ロス削減や健康、国産・旬の食材にこだわる飲食店へのニーズが高まっていることがわかった。

フードテックへの関心も拡大 シェアリング・鮮度保持技術に期待
「フードシェアリング」や「真空パックによる鮮度保持」「特殊冷凍技術による流通」など、間接的な最先端技術に対する関心も高まっている。一方で、ゲノム編集技術や昆虫食などの革新的な取り組みについては、まだ受け入れが進んでいない様子も見られた。

ぐるなびでは、今後もこうした消費者の食意識や生活実態を継続的に調査・発信することで、飲食業界や流通業における新たなサービス創出や課題解決に寄与していきたいとしている。