株式会社komham(札幌市厚別区)は、同社が開発したソーラー駆動型の生ごみ処理機「スマートコンポスト®」を、茨城県つくば市の吾妻保育所に2025年4月より導入した。つくば市の中心市街地は「脱炭素先行地域」に選定されており、本取り組みは二酸化炭素排出量の実質ゼロ化と食資源循環の実現に向けたモデル事例となる。
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保育所の給食ごみをその場で堆肥化
吾妻保育所はつくば市の中心部に位置する市立保育施設で、120人の園児が在籍している。これまで給食で発生する生ごみの回収は週2回に限られ、臭気や保管スペースなど衛生上の課題があった。新たに導入された「スマートコンポスト®」は、ソーラーパネルで自動駆動する独立型の生ごみ処理機で、AC電源を必要とせずに生ごみを堆肥化できる。
内部には同社独自の微生物群「コムハム」が内在し、最短1日で生ごみの98%を分解するという。処理後の堆肥は所内の花壇や畑で再利用され、循環型の資源活用を実現している。

子どもたちへの環境教育にも活用
この取り組みは、単なるごみ処理にとどまらず、園児への環境教育や食育にもつながっている。komhamは、「微生物で生活環境を整備する」をミッションに掲げ、生ごみ処理の現場においてバイオテクノロジーを活用したインフラづくりを推進している。
今回の導入は、2024年に同市内で実施された「つくばクラフトビアフェスト2024」でのスマートコンポスト実証実験を経て、脱炭素先行地域における常設設置へとつながった。生ごみ分解量や温室効果ガス削減量はクラウドで可視化され、環境負荷の定量的な把握も可能となっている。
komhamでは今後も、教育施設や地域イベントでの導入を通じ、誰もが自然に環境に優しい選択をできる社会インフラの普及を目指す。