奈良市、2023年度の宿泊客数がコロナ前をついに上回る 観光客数は7割にとどまるも右肩上がりに回復中

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画像はイメージです(出典:Pixabay)
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奈良市役所は7月31日、同市の2023年における宿泊客数が174.8万人いたと発表した。この数値は、新型コロナウイルス感染症拡大前の2019年を超える人数だという。これは、観光客数等を調査する「奈良市観光入込客数調査報告」において、2023年1月から12月までの調査がまとまったことで明らかになった。

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観光客数は2019年比で70%まで回復 訪日外国人観光客数も回復見込み

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2023年に奈良市における観光客数は1,219.9万人。2019年とくらべておよそ70%まで戻ってきている。新型コロナウイルス感染症が拡大した2020年は724.2万人だったことを踏まえると、500万人増加したことがわかる。

また、冒頭で伝えたとおり、宿泊数は2019年以前と比べても遜色のない数値になっている。180万人程度いた2017年に迫る勢いだ。

くわえて、観光客数に占める宿泊客数の割合は2023年のデータでは14.3%で、2年連続で14%超えを達成。宿泊客が増えることは、宿泊施設が潤うことはもちろん、滞在時間が伸びることで周辺の各種店舗や施設においても消費が発生していることが考えられる。地域経済が活性化していることは間違いない。

また、プレスリリースでは、外国人訪問者数は2024年は2019年比で90%程度まで回復する見込みだと述べられている。掲載の表グラフではドルと円の相場が記載されているため、昨今の円安ドル高の背景をうけての見込みなのだろう。

奈良市でもコロナ前に追いつくかどうかなので他地域は安心できる?

プレスリリースでは、奈良市における経済波及効果についても言及されている。

観光客に提供される商品やサービスのうち、奈良市内で調達されるぶんの金額は648億円(直接効果)だという。その商品やサービスの原材料等への需要を満たすために奈良市内の産業で新たに発生する生産額が118億円(第1次間接効果)。さらにそれらの産業で働く人たちの収入のうち、消費にあてられ、奈良市内の産業で新たなに発生する生産額が92億円(第2次間接効果)あったという。

上記の直接効果648億円、第1次間接効果118億円、第2次間接効果92億円の合計約860億円が経済波及効果だそうだ。

と、ここまで記載しているものの、国内でも有数の観光地である奈良市でさえも2019年と比べるとまだ完全に回復しているわけではないことがわかったと思う。つまり、ほかの地域において、「観光客数が戻らない」とあきらめるのは時期尚早……と言えるのではないか。もちろん、楽観視しすぎているというのは十二分に理解しているが、まだまだ頑張っていくフェーズであるという点は伝えておきたい。

観光をはじめ、地域活性に尽力している人たちの頑張りのためにも、積極的に旅行などをしていきたいものだ。

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