奈良市が東京の不動産会社の企業誘致に成功 サテライトオフィス等設置推進補助金で支援 – 株式会社レジデンシャル不動産

奈良市
写真左:レジデンシャル不動産 代表取締役 内田 廣輝氏、写真右:奈良市長 仲川 げん氏(写真出典:プレスリリース)
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奈良市役所は8月9日、株式会社レジデンシャル不動産と地域の経済振興と雇用創出を目的に立地協定を締結したことを発表した。同社はことし6月20日に奈良支店を開設していた。

奈良市では企業の集積および雇用機会の増大を図ることによる本市産業の活性化を目的に企業誘致に取り組んでいる。奈良市の企業誘致には大きくふたつのポイントがある。

ひとつは、「企業立地コンシェルジュ」の存在だ。奈良市では、企業立地コンシェルジュが物件探しから、従業員・その家族の転居に関するサポート、大学との連携を含む操業後の支援までワンストップで対応している。

このコンシェルジュにくわえて、ふたつめのポイントが奈良市サテライトオフィス等設置推進補助金だ。最大500万円(本社設置の場合は最大600万円)の補助金を出してくれるもので、企業の成長戦略や、BCP対策の一環として奈良市に進出する奈良県外のIT・クリエイティブ企業を対象に、開設に必要な初期費用を支援する。

これまでの奈良市の実績では、以下の5社の企業誘致に成功した事例をもつ。

  1. 株式会社誠勝(本社:東京都新宿区)
    令和2年12月に立地協定締結、令和3年2月に奈良支店を開設。16名を新規雇用。関西圏でのデジタルアーカイブ事業の売上を伸ばし、大学連携事業にも取り組む。
  2. パーソルテンプスタッフ株式会社(本社:東京都渋谷区)
    令和4年1月に立地協定締結、同年4月に「奈良ジョブコーディネートセンター」と「事務センター」を開設。センター事業の拡大・フロア増床により、奈良市や周辺地域の人材を180名雇用。
  3. ジェネロ株式会社(本社:東京都大田区)
    令和5年11月に立地協定締結及び奈良支店を開設。市内でのDX人材育成・雇用に向け、DXの基礎から応用まで学べる無料セミナーを毎月開催。
  4. 株式会社かんでんCSフォーラム(本社:大阪府大阪市)
    令和6年1月に立地協定締結及び奈良新大宮センターを開設。コールセンター事業の拡大に合わせて最大150名程度の新規雇用を予定。
  5. 株式会社ワークポート(本社:東京都品川区)
    令和6年1月に立地協定締結及び奈良支社を開設。3名でスタート後、2名新規雇用。職業紹介事業者として、求人情報を続々と獲得し、多くの就業に結びついている。

株式会社レジデンシャル不動産が奈良市に拠点を構えた理由と今後の展望については、プレスリリースでまとめられていたので紹介する。

  • 事業拡大への期待
    関西のベッドタウンであり、共働き子育てしやすい街として知られる奈良市は、同社事業との親和性が高く、多様な人材確保も期待できる。
  • 都市のコンパクトさと利便性の高さ
    都市機能がコンパクトに集約され、大阪や京都への利便性が高く、マンション数も多いため魅力あふれる商圏。
  • 地域経済活性化への貢献
    新たな付加価値ある暮らしやすい物件のデザインを提案し、住民満足度向上と人口増加に寄与。また、地域住民の雇用や、地域の協力会社との取引、さらに地域の子ども食堂の訪問活動を行うなど、地域経済活性化に貢献。

地域を活性化させるうえで、雇用の創出は最も大事なポイントと言っても過言ではない。そのためには、都市部の企業を誘致することが地方創生を成功させるカギとなっている。なぜなら、生きていくうえではお金を稼がなければいけないからだ。裏を返せば、お金を稼げる場所があれば、そこに人は集うので、将来的には人口の増加も見込みやすくなる。

奈良市の場合、補助金を出す金銭的な支援はもちろんのこと、コンシェルジュによる支援がある点にとくに注目したい。誘致される企業側にとって、従業員の居住場所が変わる可能性が大いにある。そのためコンシェルジュのような新しい生活を支えてくれる存在は、従業員に対して少なからずの安心を与えているはず。

企業誘致される側の企業は、従業員とその家族にかかわる話なので、企業側も「えいや!」で誘致に乗れないのも事実。こうしたコンシェルジュのような支援は、今後重要なポイントになるかもしれない。

奈良市

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