京都府唯一の村・南山城村が「地域おこし協力隊」を募集中 観光事業活性化やSNSなどでの情報発信

地域おこし協力隊
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京都府の南山城村役場は8月16日、地域おこし協力隊の募集を開始した。募集人数は1名。募集締め切りは2024年9月2日(月)で、募集要項に記載された必要書類を用意のうえ郵送する。

南山城村では来村者の愛着の醸成によって地域産業、地域活動が活気づく観光むらづくりを目指している。そこで、観光推進とともに村の観光マネジメントを担う「観光むらづくり団体」の立ち上げ段階から一緒に取り組んでくれる人を募集している。

地域おこし協力隊の募集要項や応募用紙のダウンロード

目次

宇治茶の主産地として古くから良質のお茶を生産

南山城村は京都府の南東部に位置する京都府唯一の村だ。奈良県・滋賀県・三重県に接しており、北は標高500メートルの高原、南は宇治茶の生産が盛んな丘陵地が広がる。また、村の中央には雄大な木津川の流れとともに国道とJR関西本線が東西を横断していて、自然豊かな環境でありながら都市部からアクセスしやすいのも特徴だという。

主要産業は農業だ。なかでも宇治茶の主産地として古くから良質のお茶を生産してきた歴史がある。京都府山城地域に点在する日本遺産「日本茶800年の歴史散歩」の構成資産となっている茶畑風景は村内の4地域に広がっている。品質の高い茶が集まる京都府の品評会で毎年、産地賞を取り続けるほどの品質を誇るそうだ。

年間40万人以上の来客、6億円を超す売上を出す「お茶」

南山城村には目立った観光スポットが少なく観光協会も存在しないため、これまで観光客の受入れ環境はハード・ソフト両面で整備されていなかった。しかし、2017年に道の駅「お茶の京都みなみやましろ村」がオープンしたことで一気に風向きが変わった。

南山城村産のお茶を「むら茶」として商品開発し、お茶の生産を軸とした村の暮らしとともにブランディング。南山城村産のお茶をふんだんに使用した多種多様な飲食メニューやスイーツが強力な誘客コンテンツとなり、関西のメディアで取り上げられることも多くなった。

今では年間40万人以上の来客と6億円超の売上げを誇る、村の産業振興・観光振興の中心的存在となっているという。

追い風が吹く観光業 さらに押し上げるための地域おこし協力隊

とはいえ、南山城村では多くの課題に直面している。

2024年日本創成会議が発表した消滅可能性自治体に名を連ねており、若年層の転出や出生率の低下による少子高齢化が加速している。少子高齢化による影響は、地場産業の担い手不足や地域コミュニティの希薄化に波及しつつある。

先述の道の駅に多くの来訪者がある状況を生かし、課題解決の糸口にしようと各種取り組みを進めている真っ最中だ。地域産業や地域活動等が持つ魅力を観光的視点で発信・商品化し、南山城村ファンの創出から交流人口・関係人口など南山城村と多様につながる人々を増やすことで地域活性化を図る「観光むらづくり」を推し進めている。

今後は、村の暮らしに紐づく観光商品の造成や村全体の観光マネジメントを担う「観光むらづくり団体」を立ち上げ、観光のプラットフォームとすることで地域に経済的利益をもたらし、暮らし続けられる村の実現を目指している。今回募集する地域おこし協力隊員は、3年の任用期間終了後、この団体で中心的な存在になることを想定しているという。

南山城村での地域おこし協力隊 募集要項

募集要項の詳細は当該のページに記載されているが、いくつか要綱をピックアップして紹介する。

協力隊が担う業務は以下の3つ。

  • 南山城村の資源を活用した体験コンテンツの企画・造成業務
  • 観光SNSやホームページによる発信業務
  • 着地型体験・ツアー運営業務

なお、上記業務にくわえ、設立予定の観光むらづくり団体立上げにも携わることになる。

募集人数は1名。対象となる条件はいくつか記載されているが、「現在三大都市圏をはじめとする都市地域(過疎、山村、離島、半島等の地域に該当しない市町村)に在住している方」「生活拠点を南山城村内へ移し、住所を異動できる方」「日常の自動車運転に支障のない方」「国内旅行業務取扱管理者資格取得者または任用期間内に取得の意志がある方」「任期終了後に南山城村に定住する意欲のある方」などが挙げられている。

特筆すべきは、通勤や生活に自家用車等の移動手段が必要不可欠とされている点。募集要項にも「自家用車等の持込みをお勧めします」となっている。ただし、活動車両は南山城村が貸与してくれる。

給与は月額208,000円〜217,800円。任用期間は令和6年10月1日からを予定。任用期間中の住居は、南山城村が用意してくれる。

選考では書類審査と面接審査の2回を予定。面接は南山城村役場で実施するそうだが、その際の交通費などは応募者負担。

地域おこし協力隊

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