「地震を知らない人もいる」災害発生時に日本にいる外国人を支える活動の重要性 外国人向け避難訓練を実施 – 大阪府泉大津市

泉大津
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訪日観光客が増えている今、外国人向けの避難情報の発信とその浸透は重要だ。

大阪府泉大津市は9月3日に、泉大津市にある日本語学校の留学生約30人を対象とした「外国人避難インフルエンサー講座」を開催する。目的は、災害時に言語の壁で情報が得られにくい外国人向けにわかりやすく情報を発信する「避難インフルエンサー」の排出だ。

目次

災害情報を正しく理解し発信してもらうためのプログラム

外国人避難インフルエンサー講座では、災害情報を正しく理解し発信できるよう、5つのプログラムに沿って、災害時の避難に必要な基礎知識を学んでもらう。

  1. 日本の災害について学ぶ / 外国人のためのやさしい防災授業 / 地震や津波について、情報の取り方について
  2. 命の守り方を身につける / シェイクアウト訓練 / 大阪880万人訓練のエリアメールにあわせ、身を守る
  3. 避難のしかたを身につける / 避難経路確認訓練/ 避難経路や避難誘導標識を確認しながら避難
  4. 避難所の設営や生活を学ぶ / 避難所体験会 / ベッドやテントの設営、自動ラップ式トイレの講習、災害食の実食
  5. 身近なひとに避難を呼びかける / SNSで体験を発信

平成30年6月にサーベイリサーチセンターが実施した災害発生時の外国人来訪者への調査(平成30年大阪北部地震)によれば、“地震がおさまった後の行動”は「インターネットやSNSで情報を得ようとした」が52.6%、「インターネットやメール、SNSのフェイスブックやライン等で家族や友人と連絡を取り合った」が52.6%と高くなったそうだ。また、“避難で役立った情報”では、「日本にいる外国人のSNSなどの書き込み」が10.5%と、言葉を理解しやすい情報源として利用されていた。こうした背景から、上記の5つのプログラムを構成したという。

日本の当たり前は世界の当たり前ではない 地震を知らない人たち

プレスリリースでは、日本語学校と連携した取り組みのなかで見えてきたことがあると述べられている。それが「海外出身の人の中には、地震の概念がなく、地面が動くこと自体が理解できない人もいる」ということだ。また、日本人なら誰でも知っている、命をまもるための行動「机の下にもぐる」は必ずしも当たり前ではない。

昨年9月に実施した避難所体験会では、大阪880万人訓練の緊急速報メールの着信にあわせ、机の下に隠れるシェイクアウト訓練を実施したが、1回目ではうまくできず、2回目を実施したという。

大阪では万博も開催されるため、多くの外国人が来訪することが予想されている。身近な隣人を災害弱者にさせないための取り組みは喫緊の課題だ。

ちなみに、昨年実施した避難所体験会では非常食の試食もあったそうだ。人気だったのはハラル認証されたナシゴレン。避難所で配給される水や食料が“無料”であることに驚く声もあったようだ。

日本で長く生活する人でさえも災害時は大きなパニックに陥ることもある。外国人にとっては、日本人以上に深刻な問題だ。各地でインバウンド客向けの需要が増しているが、このような外国人向けの情報発信を狙う取り組みは今後さらに増えていかなければいけない。

泉大津

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