株式会社東計電算は10月21日、スマート農業の新システムに関する無償モニターの募集を開始した。
モニターでは、農林水産省が提供するWAGRIデータベースと生成AIを組み合わせ、農業従事者や農業法人が抱える業務課題を解決するための最新技術を、無料で試せる機会が提供されるという。応募期限は11月29日(金)18時まで。応募方法はこちらのフォームに必要事項を記載するだけだ。
モニター参加でコスト最適化など経営に直結する提案も
モニターに参加すると大きく分けて3つのメリットがあるという。
WAGRIデータと生成AIを活用した高度な農業分析レポートの提供
- WAGRIから取得した膨大な農業関連データをもとに、気象や土壌、作物の成長状況などを多角的に分析し、特定の農場に合わせた最適な栽培方法を提案する
- これにより、農業生産の効率化やリスク管理を強化し、安定した収量確保を目指す
日々の農業業務データに基づく経営改善の提案
- 農場の日常業務データを生成AI解析し、収益性向上やコスト削減を目指した経営改善プランを提示する
- 労働時間の最適化や資材の効果的な使用など、経営に直結する内容を提案し、経営効率の向上を支援してくれる
画像解析による害虫・病害診断と予防策の提供
- ディープラーニングのAIモデルによる画像解析技術を活用し、作物の葉や果実から害虫や病害を自動検出し、早期の診断結果を提供する
- これにより農薬の使用量を最小限に抑えつつ、迅速な防除策を講じることが可能となり、作物の健康管理と収量の向上に貢献できる
上記の3点以外にも業務改善したい領域があれば相談してほしいとのこと。
AIやクラウドサービスを活用した農業効率化
農林水産省は、日本にスマート農業を推進するために、WAGRIというデータベースを公開している。その結果、農機メーカーやそのほかの企業でもその活用が徐々に進み始めているという。
スマート農業は世界でも活発だ。東計電算のプレスリリースではデンマーク、アメリカ、オーストラリアでの事例を紹介している。
デンマークの農業におけるデータ駆動型の異常気象対策
デンマークでは、気象データをリアルタイムで解析するシステムを導入し、異常気象による作物への影響を最小限に抑えています。農家はデータに基づいて迅速に対策を講じることで、収穫量を維持しています。
アメリカにおけるAI診断を活用した病害虫管理
アメリカの一部農場では、AIを利用して病害虫の発生を早期に診断し、適切な農薬を使用することで、農業生産性を向上させています。この手法により、農薬の使用量を削減しつつ、作物の健康を守ることが可能になっています。
オーストラリアの市場情報と生育予測の活用
オーストラリアでは、統計データと市場情報を組み合わせたプラットフォームが導入されており、農業者は生育予測を基に最適な収穫時期を判断することで、収益を最大化しています。このように、データ駆動型のアプローチが農業の効率性を向上させています。
諸外国での事例や国内での推進の流れもあり、東計電算では現在「AgriConnect+」(読み:アグリコネクトプラス)を開発中だという。アグリコネクトプラスは、WAGRIのAPIと生成AIを組み合わせた新サービスで、、農業従事者や農業法人、農機メーカー向けに付加価値のある情報提供サービスとなるそうだ。