神奈川県では11月1日(金)から救急電話相談「♯7119」が開始した。救急電話相談「♯7119」は、急な病気やけがの際に、24時間365日、看護師等が電話で相談に応じるサービス。看護師が病気やけがの状態を聞き取り、「緊急性のある症状なのか」や「すぐに病院を受診する必要性があるか」等を判断。相談内容から緊急性が高いと判断した場合には、救急車の要請等についてアドバイスするという。これまでは横浜市内限定で利用できていたが、このたび県内全域で使えるようになる。
診療時間外や休日でも「♯7119」にかけることで、救急に関する電話相談や医療機関の案内などに対応してくれる点が最大の特長。相談料は無料だが、通話料は相談者の負担となる。直通ダイヤルは直通ダイヤル 045-232-7119 または 045-523-7119。
なお、県は「緊急時は迷わず119番へご連絡ください」としている。
住民にとっての「安心」かつ「判断基準」に
昨今、「救急車の不適正な利用」が問題視されるなど、救急車やその人手が不足する社会問題が発生している。もちろん、このような課題を解決するための“一次対応”の側面があるとは推測されるが、それ以上に「神奈川県では何か救急で困ったらすぐに相談できる」という安心の土台を作ったとも取れる。
全国でも徐々に普及 利用者の約9割が「役に立った」
「♯7119」を使った神奈川県同様の取り組みはほかの地域でも普及が進んでいる。関東圏であれば、茨城、栃木、埼玉千葉、東京の全域で使える。ただし、利用時間は24時間365日の地域もあれば、夜18時から朝8時までなど医療機関が閉まっていることが多い時間帯のみとしている地域もある。詳細や対応している実施エリアや利用時間などは、総務省消防庁の当該ページにて。
総務省の同ページでは利用者の声も記載されている。電話相談したところ、会話中に利用者のろれつの悪さに気づいた相談員が救急車を手配し、病院で脳梗塞と診断されすぐに治療に取り掛かられた例もあったそうだ。救急安心センター事業(♯7119)を導入した自治体が実施した利用者に対するアンケートの結果では、約9割の利用者が「役に立った」と感じたそうだ。
「♯7119」以外にもこども救急電話相談などとして「♯8000」にかけることで、子どもに何かあった際の電話相談窓口を用意している地域もある。
もちろん、相談受付の人員や体制確保など容易ではないのも事実ではあるが、全国的にみるとまだ導入されていない地域もある。単純な対応受け付けであればAIを使えば良さそうである反面、人ならではのホスピタリティなども要される業務であることも忘れてはいけない。
繰り返しになるが、神奈川県やそのほかの地域においても「緊急時は迷わず119番へご連絡ください」としている。