ピクスタ株式会社が「介護業界写真トレンド2024 最新の介護イメージでブランド価値を高める〜介護写真のアップデートが顧客と採用活動に与える影響〜」を発表した。介護業界写真トレンド2024のレポートは同社の問い合わせページからダウンロードできる。
ピクスタは2014年から2024年の10年で変化した介護イメージ写真のトレンドを分析。変化した写真の特徴から、現代に求められる介護施設・サービスの印象についてを解説した。
レポートでは「2014年と2024年の介護イメージの違い −顧客編−」「2014年と2024年の介護イメージの違い −人材編−」「介護業界における最新の写真要件とは?」「要件を満たしつつ自社の魅力を写真で伝える方法」が主な内容としてまとめられている。
2014年と2024年の介護写真イメージの売れ筋トップ100点を比較
介護業界 写真トレンド2024は、約1億点のイメージ画像を取り扱うピクスタ社のフォトストックサービス「PIXTA」で、時代の写し鏡である「売れ筋」の介護イメージ写真を分析したレポートしたものだ。
10年前の2014年と2024年現在の介護写真イメージの売れ筋トップ100点を比較し、色調、コントラスト、被写界深度など「写真の特徴」観点で比較した結果、10年前は「優しさ・柔らかさ」を伝える写真が主流だったのに対し、2024年の今は「明るさ・清潔感」を伝える写真表現へとシフトしていることがわかった。
2014年の介護イメージ写真の特徴
- 衣装、人物のメイク、背景を含め、全体的に柔らかな白〜生成色の単一的な配色。
- 自然光を活かしたソフトな撮影技法。
- 被写界深度は深めで、輪郭を強調しすぎない平面的な構図。
- 比較的低彩度で、ノスタルジック感のある柔らかな仕上げ。
- コントラストも低めで明暗差が少なく、柔らかな現像。
- 暖色系のホワイトバランスで、暖かみのある仕上げ。
2024年の介護イメージ写真の特徴
- 衣装や人物のメイク、背景を含め、全体的にパステルカラー等を複数取り入れた明るい配色。
- 照明も用いながら光量を十分に確保した、くっきりとした撮影技法。
- 被写界深度は浅めで、ボケ感を活かした立体的な構図。
- 比較的高彩度で、リアルさを保ちつつ美しい発色を意識したポップな現像。
- コントラストもやや高く、はっきりとした輪郭で立体感を強調。
- やや寒色系のホワイトバランスで、清潔感ある仕上げ。
優しさよりも前向きさ 求められるのは清潔感と自立支援
介護という普遍的な業界においても、写真表現を駆使した「伝えようとする印象」はこの10年で大きく変わった。
介護が「世話」から「自立支援」へとシフトするなかで、写真も、10年前に好まれていた、優しさや落ち着いた雰囲気の保守的な印象よりも、今は、明るさや清潔感を強調することによる前向きでアクティブな雰囲気を伝えようとする流れになっているという。
ピクスタではこの変化の背景について、「人々が『介護施設・サービス』に求めることが反映されている結果でもある」と分析した。同時に、利用者の不安や、解決したいことが写真需要に表れていることを踏まえ、介護施設・介護サービス提供事業者は、慎重に自社のホームページやパンフレットのビジュアルを検討する必要があるとも述べている。
同様に、介護業界の人材獲得における写真についても、10年前と比較すると訴求ポイントが変化しているという。現在はIT・DX化などスタッフのサポート体制や負担軽減などもビジュアルを通じて伝えることが重要であることも分析の結果から見えてきたそうだ。