株式会社アイティフォーは7月8日、岐阜県高山市にBPO(民間委託)サービスが採用されたことを発表した。
すでに2024年6月から市税・国民健康保険料・後期高齢者医療保険料の徴収事務を中心に、業務受託を開始している。
催告業務担当者の人材の集まりにくさが課題
アイティーフォーが業務受託した領域は、先に記載のとおり市税・国民健康保険料・後期高齢者医療保険料の徴収事務が主だ。
これまでも高山市では“徴収”に力を入れていたとされ、比較的高い収納率を維持していたそうだ。同時に、高い収納率の持続的な維持・向上に向けた施策を検討していたとアイティーフォーのプレスリリースにて述べられている。
高山市では催告業務担当者の人材が集まりにくい課題があった。これは、催告業務担当者の賃金は条例の規定内にとどまっており、業務内容に難しいイメージを抱かれやすいことが理由だとされる。また、観光業が盛んな土地柄、高山市の民間企業の賃金は上昇傾向であり、賃金面における差がこの課題を生むことになったと考えられている。
催告業務担当者の人材が不足すると、将来的な収納率の維持が困難になる。そこで、催告業務を民間委託に切り替え人材を安定的に雇用したいとの狙いから、アイティーフォーのBPO(民間委託)サービスの採用に至った。
長期的な雇用や社員登用制度 モチベーション向上にも
高山市とアイティーフォーの取り組みでは、現年度案件はアイティーフォー社が、過年度事案は市職員が、というようにまずは分担して進めていくそうだ。
アイティーフォーが取り組むのは、電話、文書、訪問、ショートメッセージなどによる催告業務だ。差し押さえを実施するための調査業務に係る事務なども併せて受託する。主に少額滞納などに電話やショートメッセージを活用することで効率的な催告業務を実現していく。
アイティーフォーが現年度案件を受けてくれるぶん、市職員は“難易度が高い”とされる過年度事案に注力できる。主に差し押さえなどだ。
つまり、収納率を維持・向上させるために、アイティーフォーが現年度、高山市は過年度をそれぞれ改善するために分担するのである。
プレスリリースによれば「スタッフの長期的な雇用や社員登用制度により、スタッフのモチベーション向上が期待でき、ひいては市民サービスの向上にもつながる」ともしている。