大阪府泉大津は、ゲーム形式で学べる防災イベント「ザ・リモート」を2024年12月28日(土)に開催する。今年で3回目のこのイベントは、これまで210チーム、約700人が参加しているという。
「ザ・リモート」は、現実では再現が難しい災害シナリオをバーチャル環境でリアルに体験し、実際の災害に直面しているかのような緊迫感が提供される。楽しく学びながら、緊急時の判断力や対応力を向上できるそうだ。
従来の防災訓練は「時間がない」「固い」といった課題があった
災害の甚大化が相次ぐ昨今においては、市民一人ひとりが防災に興味をもち、学ぶことが求められている。しかし、従来の防災訓練は「時間がない」「固い」「マンネリ化している」といった課題があり、参加しづらいのが現状だ。そこで同市は、防災のイメージを刷新し、忙しい人や防災に興味がない人でも気軽に参加できるよう、「ザ・リモート」を導入した。
「ザ・リモート」の参加者の63.3%が「市の防災イベントや訓練に一度も参加したことがない」と回答している。裏を返せば、これまで参加していなかった層をしっかりと取り込めているというわけだ。
年末休暇に開催する理由
開催日が年末の12月28日に設定したのには理由がある。それは、2024年1月に発生した能登半島地震だ。この地震では、帰省中の家族が多く、避難所が不足し混乱が生じた。同時に、ふだん離れて暮らす家族が一緒に避難するための準備不足が浮き彫りになったという。この教訓をふまえ、家族が一緒に防災を学ぶ機会を提供するため、お正月休みに「ザ・リモート」の開催を決定したそうだ。
「ザ・リモート」では、泉大津市職員”が 「被災地支援」「被災者との交流」で得た経験がミッションになって登場する。現地で交流した市民や市職員から聞いた貴重な話や、得た教訓がもとになっているため、よりリアルで実践的なミッションの設定だ。たとえば「地震発生後に家族全員が無事に避難するまでのシミュレーション」として、家族全員がどのように協力して避難するかを体験する内容が盛り込まれているとのこと。
同イベントへの過去の参加者からは「間違って覚えていたこともあった。改めて学び直す機会になった」「避難の仕方や頭の守り方など大変よくわかった」との声が寄せられていると、プレスリリースに記載されている。
開催概要
開催日時:令和6年12月28日(土曜日)
第1部:10:30 ~ 12:00
第2部:13:30 ~ 15:00
対象:市内在住・在勤・在学の人
定員:各部150組
申込期間:令和6年11月29日(金曜日)午前10時~令和6年12月26日(木曜日)午後5時
申込方法:本市のホームページから
必須環境:Zoomができる電子機器・インターネット環境