泉大津市こども防災放送プロジェクト始動 「聞こえない」「聞いていない」「避難しない」防災無線の課題を小学校5年生が解決へ

大阪府泉大津市
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泉大津市立浜小学校の5年生が防災無線放送の課題を解決するために立ち上がる。日頃から防災放送を意識し、緊急時に正しく避難してもらうことを目的に、1月10日(金)と17日(金)の給食時間(12:30から)に「こども防災放送プロジェクト」が実施となる。

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目指すのは「耳を傾けたくなる」防災放送

このプロジェクトは、11月4日の大防災訓練でひとつの屋外スピーカーが故障し、鳴らなかったことがきっかけ。この反省を踏まえ、市では防災無線放送の目的と課題を再考した。

30年前の阪神・淡路大震災では生活インフラが大きな支障を受け、その教訓から同市は平成17年に同報系防災行政無線を整備した。一方、騒音問題から「定時放送をしない」「訓練や災害時のみ鳴らす」という運用方針を取っていた。その結果、約20年間の平均放送回数は年4~6回。日常的に防災放送に聞き慣れてもらうためには放送回数を増やす必要があった。

しかし、20年前に比べて騒音基準が強化され、住環境への配慮から日々の定時放送を導入するのは難しい状況だ。そこで、「騒音じゃなく、耳を傾けたくなる防災放送」に浜小学校5年生が取り組むことになった。

学校内にも確実に情報を届けるための“割り込み”試験

防災無線のスピーカーは屋外のみで、休み時間や体育の時間など屋内で夢中になっていると校舎内ではどうしても放送が聞こえにくくなる。

市ではどこにいても確実に情報を届けられるよう防災放送を文字や音声でスマホや固定電話に届けるサービスを導入しているが、学校内では有用な対策ではない。そこで、確実に情報を届け、迅速に避難できるよう、小学校の校内放送に防災無線の割り込み放送をさせる実証実験にも取り組む。

今回、実証実験に協力する浜小学校は、津波浸水想定区域にあり、毎年全校児童が参加する津波避難訓練を実施している。また、長年、関西大学社会安全学部の城下准教授の指導のもと防災学習に取り組み、地域住民にも津波避難にまつわる「プロジェクションマッピング」や「防災映画」などを披露している。

こども防災放送プロジェクトを通じて、避難の大切さを伝えることで、地域防災力を向上させることが狙いだ。

大阪府泉大津市

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