東京都渋谷区が都市データ連携基盤(都市OS)を活用して開発した渋谷区スペース情報サイト「SHIBUYA CREATIVE JUNCTION(シブヤ クリエイティブ ジャンクション)」を公開している。サービスは、再開発が進む渋谷駅周辺のスペース情報を、地図やリスト形式で誰もが簡単に検索・活用できるプラットフォームだ。区はこのサービスを通し、渋谷区基本構想で掲げる「ちがいを ちからに 変える街。」という区の未来像の実現に向け、誰もがまちづくりに参加しやすい環境整備を進めていく。
渋谷区スペース情報サイト「SHIBUYA CREATIVE JUNCTION」とは
「渋谷区内にどのような空間があるか、誰に相談したらいいかわからない」という課題を解消し、新たな文化の創造と地域の活性化を目指すことがSHIBUYA CREATIVE JUNCTIONの目的だ。本サービスの特徴は主に3つある。
渋谷駅周辺の189件のスペース情報を見える化
地図上を見ながら、エリアや広さなどの条件で絞り込み、各種スペースを見つけられる。各スペースの詳細画面では、住所や面積、利用時間、管理者を確認でき、利用可能な空間については問い合わせ可能な外部サイトに遷移する。
スペースの活用事例や、今後のイベント・アクティビティについて情報発信が可能
スペース情報を閲覧するだけでなく、これまで実施した渋谷区内のスペース活用事例や、今後のイベント・アクティビティ予定について掲載申請を受け付けている。また、渋谷区内のライブハウスやイベントスペース等、新たなスペース情報の申請も可能だ。
生成AIを使用した翻訳機能による英語での情報発信
生成AIを活用した翻訳機能を活用することで、英語での情報発信にも対応。たとえば、スペース活用事例の情報を日本語で登録すると自動で英語に翻訳され、管理者の承認を得てサイトに掲載後、閲覧者が言語設定を英語にすると翻訳された情報が表示されるという。
利便性の高いプラットフォームをヘッドウォータースが構築
SHIBUYA CREATIVE JUNCTIONの構築支援に携わったのは株式会社ヘッドウォータースだ。渋谷区は2023年12月に「都市データ連携基盤(都市OS)・実装委託事業者選定に関する公募型プロポーサル」を実施。ヘッドウォータースはこのプロポーサルに参加し、「データ連携基盤」および「空間利用サービス」の設計・構築・マネジメントを提案して委託事業者に選定された。以降、ヘッドウォータースはMicrosoft Azureを基盤とした都市OSの実装支援を進めている。
ヘッドウォータースによる支援によって以下の3つを実現した。
円滑な情報共有
クラウド環境を活用して効率的なデータ管理とリアルタイムの可視化を実現。これによって都市空間データが一元化され、ステークホルダー間の円滑な情報共有を可能にした。
ユーザーフレンドリーな機能設計
都市空間データの検索や絞り込み機能、さらに生成AIを活用した翻訳機能を開発し、地域住民や訪問者、企業など幅広い利用者にとって利便性の高いプラットフォームを構築した。
データ連携基盤の設計と実装
多様なデータソースを統合し、これまで困難だった情報の一元管理を実現した。これにより、渋谷区の街づくりに関わる人々が効果的に協働できる環境を整えられた。
ヘッドウォータースは今後もAIやDXに関する技術力を活用し、渋谷区の都市OS実装プロジェクトを支援していくという。さらに、本プロジェクトを通じて得た知見を蓄積し、それを基盤にAI技術を中核とした都市インフラのDXを推進するパートナーとしての役割を強化していく方針だ。またプレスリリースでは「今後は、全国の自治体におけるスマートシティ実現に向けた取り組みにも積極的に貢献してまいります」とコメントしている。