大和ハウスグループの大和ハウスベンチャーズ株式会社は2024年12月25日、大和ハウスグループ投資事業有限責任組合を通じてゲノム編集技術をはじめとした品種改良技術とスマート養殖技術を活用したスタートアップであるリージョナルフィッシュ株式会社に出資したことを発表した。
リージョナルフィッシュは、京都大学大学院農学研究科の木下政人准教授、近畿大学水産研究所の家戸敬太郎教授らによる共同研究で生まれた技術シーズをコアとして設立されたスタートアップ企業だ。
世界的な人口増加に伴い、タンパク質の需要が供給を上回る「タンパク質クライシス」の到来が予測されている。また、地球温暖化の影響により、各地で歴史的な海水温の上昇が観測されている。この結果、かつて漁獲できた魚が獲れなくなったり、養殖魚が高水温により大量死したりする現象が広がっている。
このような課題に対し、リージョナルフィッシュは世界の食糧問題と水産業の課題解決を目指し、高温耐性に重点を置いた品種改良により、高温に適応できる魚種の開発を進めている。また、最先端の「品種改良技術」と、魚種に合わせた給餌や清掃環境制御などを自動で行う「スマート養殖技術」を組み合わせる「次世代養殖システム」の構築を目指している。
大和ハウスグループは、日本最大級のサーモンの陸上養殖施設で得た建設知識と豊富な土地情報を活かし、リージョナルフィッシュおよびその協業先の生産量拡大に必要な陸上養殖場の開発を支援することなどにより、食糧問題にまつわる社会問題の解決に貢献していく。