マイナンバーカードとスマホで安否確認 避難者を一元管理する防災アプリ

ポケットサイン避難訓練
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日本製紙株式会社は同社の石巻工場で7月2日に避難訓練を実施した。同社は、災害時に向けて十分に備えることが重要だと考えており、その一環としてこれまでも避難訓練を何度も実施してきた。

今回の避難訓練では新たに、マイナンバーカードとスマートフォンを使った避難訓練を実施したという。

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速やかな安否確認 避難後の点呼の時間を大きく削減

避難訓練で利用したのは、ポケットサイン株式会社の「ポケットサイン防災」だ。

事前にマイナンバーカードをつかってポケットサインにユーザー登録すると、二次元バーコードを読み込むだけで避難所受け付け時の本人確認が瞬時に終了するようになる。

ポケットサイン

この受付記録は管理者用の管理画面に即時反映され、「いつ」「だれが」「どこで」避難所などにチェックインしたのかを把握できる。避難所の受け付けでは、二次元バーコード以外にもマイナンバーカードの読み取りや手入力にも対応している。

ポケットサイン

避難訓練の担当者である日本製紙の総務課 課長 斉藤氏は「高い利便性を感じた。複雑な仕組みではなく簡単なところもよかった」とコメントを残した。

また、これまでの避難訓練との大きな違いとして以下の感想を述べた。

「前回(昨年)の訓練では手書きの数値を手入力で集計する、という確認作業をしていました。参加者は避難後の点呼のため暑い中、外で長時間の待機をさせられたり、部署ごとに記入された避難受付用紙を本部で集計して別の用紙にまとめる必要があったり、手入力での集計は『速やかで正確な安否確認』が困難でした。

今回、システム(ポケットサイン)を用いることで迅速に安否確認できることがわかったので、その点について大変有意義でした」(斉藤氏)

実際に避難訓練に参加した同社 電装課の今野氏は「スピード感は非常に早いと感じた」と話した。

地震発生10分後時点で95%の人が受付を終えられた

日本製紙が今回実施した避難訓練は、石巻市で震度6弱の地震が発生し、大津波警報が発令された設定だ。このシナリオに基づいて、工場および構内事業所従業員は、高台のグランドへ垂直避難するメンバーと、建物の2階以上に避難する垂直避難のメンバーに分かれて避難訓練をした。

訓練の場所である石巻工場は海に面しており、敷地の広さは1キロメートル四方ほどにおよぶため津波が発生した場合は迅速かつ混乱なく避難する必要がある。

ポケットサインの担当者であるポケットサイン社の大森氏は、避難訓練でのポケットサインの活用のされ方について「地震発生から10分後時点でポケットサイン防災利用者の約95%の方が避難所受付を終え、津波到達想定時刻である地震発生から15分後時点では全員の避難所受付を完了できた」とコメントを残した。

迅速な避難はもちろん、“誰がどこに避難できているのか”を把握する手段の確立は重要だ。それこそ、本当に避難が必要になった際、おそらく現場はパニック。そうなったときに、迅速かつ手軽に、そして管理・把握が可能なサービスは避難所運営などに大きく貢献することは間違いない。

今回の避難訓練では、業務規則上、業務中にスマートフォンを携帯できない工場従業員は、ポケットサインを使わずに避難訓練をした。今後ポケットサイン社では、同様に業務中にスマートフォンを携帯できない方に対応するための開発を進めるという。

ポケットサイン避難訓練

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