株式会社トラスト・ファイブは1月9日、商店街の利用状況に関するアンケート調査の結果を発表した。
本稿では、同社が発表したプレスリリースの内容をそのままお届けする。
調査概要
調査機関:2024年12月10日~2024年12月11日
調査方法:インターネット調査
対象:国内在住の男女(女性35名、男性64名、無回答1名)
調査人数:100名
調査サマリー
- 商店街を月1回以上利用するのは、約63%
- 中小規模でも活気のある商店街は、月1回以上利用する人が8割
- 商店街に期待される業種は、「カフェ・ベーカリー・スイーツ」「テイクアウト専門店」「飲食店」
- 利用頻度の高い層ほど、多様な業種へ期待する傾向
よく利用する商店街について、利用頻度を教えてください。
利用頻度については、「週3回以上」4%、「週1~2回以上」28%、「月1~2回以上」31%と、過半数の人が一定の頻度で商店街を利用していました。
なお、利用頻度と性別・年代による顕著な差異は見られませんでした。
よく利用する商店街の様子は?
よく利用する商店街の様子については、「なんでも揃う、大規模な商店街」18.7%、「小中規模だが活気ある、アットホームな商店街」47.3%、「閉店や空き店舗の目立つ商店街」34.1%となりました。(「利用しない」を除く数字)
商店街の様子と利用頻度のクロス集計を行うと、以下のようになります。
大規模と回答した人の利用頻度は、「週1~2回以上」が最も多くなりました。利用頻度がもっとも少ない場合でも「年に1~2回以上」であり、「数年に1回」や「利用しない」の回答はありませんでした。
小中規模(活気ある)と回答した人の利用頻度は「月1~2回以上」が最も多く、「週1~2回以上」が続きました。月1回以上利用する人を合わせると、8割にのぼります。
一方で「閉店や空き店舗の目立つ商店街」と回答した人の利用頻度は「年に1~2回以上」が最も多く、「数年に1回」の利用と合わせると、過半数にのぼりました。一方で、「週1~2回以上」利用する人も約4分の1いましたが、「週3回以上」の利用はありませんでした。
商店街に活気があれば、大規模な商店街でなく中小規模の商店街であっても、月1回以上の定期的な利用者は多くなるようです。
商店街に期待する業種は?(複数回答)
新しくできたら嬉しいお店は?と複数選択で尋ねたところ、「カフェ・ベーカリー・スイーツ」「テイクアウト専門店」「飲食店」が、商店街の利用頻度に関わらず、圧倒的な支持を集めました。
また、商店街の利用頻度が高い層ほど、幅広い業種を「できたら嬉しい」と感じる傾向がありました。
商店街の課題
国内の商店街は深刻な課題に直面しています。令和3年度商店街実態調査(中小企業庁)によると、高齢化による人口減少や国内市場の縮小により、商店街の最近の景況について「衰退している・衰退の恐れがある」と回答した商店街が67%を超える結果となりました。
特に注目すべきは、単なる空き店舗の増加にとどまらない構造的な変化が進行していることです。店舗の跡地に新たな店舗が開発されるケースは全国でわずか15%、東京都でも26%に過ぎません。むしろ東京都においては、27%近くが住宅へと用途変更されているのが現状です。
このような「住宅への転換」は、一見すると空き店舗問題の解消に見えます。しかし、実態としては商店街の商業機能の不可逆的な喪失を意味します。この変化は「空き店舗数」としての統計には表れにくいものの、商店街の本質的な機能が失われていく現象として捉える必要があります。