特定非営利活動法人 志塾フリースクールラシーナ(以下、ラシーナ)が、不登校の子どもたちの学びの選択肢を広げるため、経済的に困難を抱える家庭を支援する「学費サポート制度」の設立を目指し、クラウドファンディングを開始した。
経済的理由で学びを諦めない社会へ
ラシーナは、大阪府富田林市・堺市でフリースクールやオンライン学習塾、通信制高校、地域の居場所「泉北BASE」など、多様な学びの場を提供している。これまで8年間で約300名以上の子どもたちを受け入れてきた。
しかし、フリースクールには公的な支援制度が少なく、家庭への経済的な負担が大きいのが現状だ。その結果、「学びたくても学べない」子どもたちが生まれている。
この課題を解決するため、ラシーナは学費サポート制度を創設し、経済的な事情で学びを諦める子どもを一人でも減らしたいと考えている。
クラウドファンディング概要
- 目標金額:180万円
- 資金用途:学費サポート制度の原資、制度運営費、プラットフォーム手数料
- 募集期間:2025年2月1日~3月23日
- プロジェクトページ:https://communityinvestment.jp/project/1045/
不登校の現状と社会課題
2024年度の全国の小・中学生の不登校児童生徒数は34万6,482人と過去最多を更新し、高校生を含めると約40万人に達している。また、不登校の子どもの約4割が学校外の支援機関や専門家とつながりを持てず、孤立している。
大阪府では、不登校の小中学生の約50%が何の支援も受けられていない状況だ。また、フリースクールの平均月会費は約3万3,000円、入会金は約5万3,000円と高額であり、特に低学年の子どもを持つ家庭では、親が在宅で見守る必要があり働き方に制限が生じる。結果として、不登校支援家庭の3割が収入減少、5人に1人が離職・休職を余儀なくされている。
社会全体で「多様な学び」を支援
学びの機会を得ることで、子どもたちは自信を養い、社会とつながる一歩を踏み出す。ラシーナでは、子どもたちが「学びたい」と思ったときに学べる社会を実現するため、経済的に厳しい家庭の負担を軽減し、より多くの子どもとその家族がフリースクールやオンライン学習等の多様な学びの機会を選択しやすくする。
また、市民や企業の支援によって学費サポート制度を設立し、不登校の子どもとその家族を社会全体で支えるムーブメントを生み出したいと考えている。
クラウドファンディングを通じて、不登校への理解を広め、支援の輪を拡大することが求められている。