愛知県日進市にある曹洞宗の寺院・龍谷寺(りゅうこくじ)が、環境配慮型のお守り「OMAMORU(オマモル)」を販売開始した。再生プラスチックを活用したこのお守りは、株式会社REMAREの派生プロジェクトSTRUCTURE SURVIVE(ストラクチャーサバイブ)とのコラボレーションにより誕生した。伝統的な仏教の教えとサスティナブルな未来をつなぐ新たな試みとして注目されている。
伝統と未来をつなぐ新たな挑戦
龍谷寺は1520年に創建された曹洞宗の由緒ある寺院である。しかし、近年では仏事の依頼が減少し、寺院の運営にも新たな価値創出が求められるようになった。その中で、「仏教の教えをより多くの人に知ってもらう」ことを目的とし、現代的な視点から新しい試みを模索していた。
今回の「OMAMORU」は、従来の紙や布製のお守りとは異なり、再生プラスチックを使用することで、持続可能な社会の実現に貢献する。また、従来のお守りの持つ「願いを込める」という意味を継承しつつ、モダンなデザインを取り入れることで、若い世代や環境意識の高い層にも受け入れやすい形となっている。
「OMAMORU」の特徴
龍谷寺では、「OMAMORU」に特別な祈祷を施している。2025年初めに開催された「大般若祈祷会」において、7名の僧侶が開眼法要を行い、祈りを込めた。このお守りには以下の三つの願目(がんもく)が刻まれている。
- 心願成就(しんがんじょうじゅ) — 心からの願いが叶うように
- 厄災消除(やくさいしょうじょ) — 災いを祓い、平穏な日々を
- 諸縁吉祥(しょえんきちじょう) — 良縁に恵まれ、幸せを呼ぶ
このように、誰もが願う普遍的な祈りを形にした「OMAMORU」は、日々の安心を支える存在となる。
STRUCTURE SURVIVEとのコラボレーション
本プロジェクトが実現した背景には、龍谷寺とSTRUCTURE SURVIVEの特別な縁がある。龍谷寺の副住職は、かつてロサンゼルスの曹洞宗寺院で見た独自のお守りに感銘を受け、「日本にも新しい形のお守りを導入できないか」と考えていた。
その中で、REMAREが手がける再生プラスチックの質感やデザイン性に惹かれ、長年交流のあったSTRUCTURE SURVIVEに協力を打診。環境負荷の少ない新たなお守りとして「OMAMORU」の開発が進められた。
デザインには、龍谷寺の寺名や渡辺家の家紋を取り入れ、リサイクルマークを組み込むことで、伝統と現代技術を融合させた唯一無二のプロダクトとなった。
リサイクル可能な「OMAMORU」— 仏教の教えとサステナビリティ
「OMAMORU」の最大の特徴は、購入後に寺院へ返納することでリサイクルが可能な点である。使用後のお守りは、寺院にて適切に供養され、再び再生プラスチックとして生まれ変わる。この仕組みは、仏教の「輪廻転生」の思想にも通じるものであり、命やものの循環を大切にする考え方と一致する。
今後の展開
龍谷寺では、今後もお寺の魅力を発信するイベントを企画し、「OMAMORU」を通じて仏教文化に触れる機会を増やしたいと考えている。特に、若年層や海外の観光客にも興味を持ってもらえるよう、インバウンド向けの施策も検討中だ。
また、「OMAMORU」は、4月5日に開催される「龍谷寺カルチャーマーケット」にて販売が開始されるほか、STRUCTURE SURVIVEのECサイトでも購入が可能となる予定である。今後は、個々の願目に応じたバリエーションの拡充も計画しており、さらに多くの人々に届けられることが期待されている。
龍谷寺とSTRUCTURE SURVIVEが生み出した、新しい形のお守り「OMAMORU」は、環境問題への意識を高めると同時に、寺院文化の新たな価値を創造するものとなるだろう。この取り組みが、持続可能な未来への一歩となることを願いたい。