株式会社プラスロボが運営する、介護・福祉領域に特化した有償ボランティアのマッチングプラットフォーム「スケッター」は、2025年2月より仙台市と共同事業を展開している。仙台市が市民への周知を開始してから1ヶ月で、市内の介護・福祉事業所への応募件数が250件を超えるなど、大きな反響を得ている。
介護業界未経験者の参加が8割を占める
「スケッター」に登録し応募した人々のうち、約8割が介護業界未経験者となっている。これまで介護・福祉に関わったことがなかった異業種の人材が、新たに福祉領域に参画する機会を得ていることが分かる。
また、仙台市内のある介護施設では、「スケッター」の利用により2ヶ月先まで予約が埋まるなど、人手不足解消への具体的な成果も見え始めている。
「スケッター」導入の背景と目的
仙台市とプラスロボは、2024年10月に連携協定を締結し、「スケッター」を活用して以下の課題解決に取り組んでいる。
- 介護業界の人手不足解消
- 高齢者の社会参加促進(孤独・孤立防止)
- 地域共生社会の実現
2025年2月から仙台市が「スケッター」の大規模周知を実施し、地域住民に対し、介護施設や福祉事業所での活動への参加を促してきた。
「スケッター」とは?
「スケッター」は、資格や経験がなくても参加可能な有償ボランティアマッチングプラットフォームであり、2019年にサービスを開始した。
主な活動内容は以下の通り。
- 介護施設でのレクリエーション補助
- 高齢者の話し相手
- 食事の配膳や片付け
- 施設内の清掃
- 送迎補助
このように、身体介助を伴わない業務が中心であり、介護業界に関心を持ちながらも関わる機会がなかった人々が、気軽に参画しやすい仕組みとなっている。
【公式サイト】
スケッター公式サイト
全国へ拡大する「スケッター」の取り組み
「スケッター」は、仙台市をはじめ、以下の自治体とも連携を進めている。
- 東京都中野区
- 東京都品川区
- 埼玉県川口市
- 福岡県北九州市
- 神奈川県小田原市
- 神奈川県川崎市
- 茨城県大子町
さらに、2025年3月5日には、熊本県熊本市と新たに連携協定を締結する予定であり、全国的な広がりを見せている。
今後の展望
仙台市では、引き続き「スケッター」の周知を進め、さらなる地域住民の参加を促す方針だ。プラスロボも、「スケッター」の全国展開を進めることで、介護・福祉業界の人手不足の解決と、地域の助け合い文化の醸成を目指している。
「スケッター」は今後も各自治体との連携を拡大し、地域福祉の新しい形を創出していく。