プロ野球・千葉ロッテマリーンズが、育成拠点となるファーム本拠地の移転先候補地として千葉県君津市を正式に決定した。球団は2024年2月より全国の自治体に対し移転先の公募を実施し、31の自治体からの応募の中から熟慮を重ねた末、君津市を選定した。今後、君津市との間で協定を締結し、移転実現に向けた準備を本格化させていく方針だ。
全国31自治体からの応募、君津市が最有力候補に
今回の移転プロジェクトは、チーム強化と選手育成環境の整備を目的として発足。2024年2月16日から3月末にかけて実施されたファーム本拠地の公募には、全国から31自治体が名乗りを上げた。以降、プレゼンテーションや意見交換を通じて4自治体との協議が続けられ、その中で「地域との連携」「立地・敷地・施設」「永続的な運営スキーム」などの観点から、最も具体性と実現性が高いと判断された君津市が、最終的に移転先候補として決定された。
球団の高坂俊介社長は、「20年後、30年後の未来図を描くことができたことが、選定の大きな理由」と語り、地域との共創を重視した意思決定であることを強調している。
君津市長も歓迎「スポーツによる地方創生の一歩に」
移転決定に対して、君津市の石井宏子市長は「千葉ロッテマリーンズファームを迎えることが、スポーツによる地方創生の大きな一歩になると確信している」とコメント。市職員や関係者とともに熱意をもって誘致活動を進めてきたことを振り返り、「市民とともに選手を応援し、地域ににぎわいと未来をもたらすプロジェクトにしていきたい」と意気込みを語った。
今後は球団と連携しながら、市民参加型の歓迎体制や地域振興策を整備していく方針だ。
ファーム移転で期待される地域活性化
今回のファーム本拠地の移転により、地域に与える影響は多岐にわたると見られている。プロ野球球団の拠点が設置されることで、試合観戦を目的とした観光客の増加や、地元住民との交流イベント、野球教室などの開催によって地域の活性化が期待される。
また、選手育成を担うファーム施設は、未来のスター選手を育てる重要な場であると同時に、地域住民にとっては“地元の誇り”ともなる存在だ。長期的には雇用や経済波及効果に加え、地域の子どもたちに夢と希望を与えるシンボルとなるだろう。
“オール君津・オール千葉”で未来を応援
高坂球団社長は、「この取り組みがチームやファンだけでなく、地域の方々にとっても良いものとなるよう、しっかり取り組んでいく」と今後の展望を述べた。
一方、石井市長も「オール君津・オール千葉で千葉ロッテマリーンズを応援していきましょう」と呼びかけ、球団と地域が一体となったプロジェクトとして今後を歩んでいく姿勢を示している。
今後、移転に関する詳細や具体的なスケジュールは順次発表される予定。プロスポーツを通じた地方創生の好例として、君津市の新たな挑戦に注目が集まっている。