西日本鉄道株式会社が運営するファッションビル「ソラリアプラザ」(福岡市中央区)に、AIを活用した体験型ミラー「+PLUS MIRROR(プラスミラー)」が導入された。提供元は株式会社Innovation Studio(本社:東京都渋谷区)。商業施設の共用部としての導入は九州初となる。
設置されたのは、3階POP UPスペース。ソラリアプラザの今春リニューアルに合わせてスタートし、訪れた誰もが無料で利用できるこのサービスは、来館者に新しい「自分らしさ」を提案する仕掛けとして注目を集めている。
AI診断で「本当の似合う」を発見
「+PLUS MIRROR」は、「本当の似合うが見つかる」をコンセプトにした体験型サイネージミラーだ。フェイス診断、パーソナルカラー診断、骨格ボディタイプ診断、ファッションスタイル診断といった複数の診断機能を搭載しており、AIが自動的にユーザーの特徴を分析して“似合う”スタイルを提案する。
利用者は、ミラーの前に立つだけで直感的に操作でき、まるでパーソナルスタイリストと会話しているかのような体験が可能だ。SNSアカウントをフォローすることで無料で診断できる手軽さも魅力のひとつとなっている。
「消費の質」が求められる時代の新しい買い物支援
ソラリアプラザ副館長の藤田氏は、+PLUS MIRRORの導入について次のように語る。
「コロナ禍以降、セールやバーゲンの訴求力が薄れ、『本当に自分に似合うものを探したい』というニーズが高まっています。来館者が自分自身のスタイルを再発見できる体験を通じて、より満足のいく買い物に繋げていただければと考えています」
また、ご担当者の佐藤氏はこう続ける。
「他人の目を意識しすぎる時代だからこそ、自分らしさを大切にしてほしい。+PLUS MIRRORをきっかけに、自己表現を後押しするような買い物体験を提供したいと思っています」
体験から来店へ──地方都市の商業施設にも波及か
都心部の百貨店や大型商業施設では近年、「体験価値」を重視したテクノロジーの導入が進む中、九州エリアでは今回が初の導入事例。特に商業施設の共用部での設置は、誰でも気軽に立ち寄れる点でも新しい試みだ。
+PLUS MIRRORは今後、診断機能の追加やアップデートにも柔軟に対応可能な点も評価されており、リピーターを生む継続的な集客コンテンツとしての期待も高まっている。
地域と買い物の接点をデザインする
AIとリアル店舗を融合させた新たな買い物体験が、福岡・天神のソラリアプラザから広がりを見せている。「モノを買う」だけでなく、「自分を知る・楽しむ」行為としてのショッピングを提案するこの取り組みは、今後、地方都市の商業施設における差別化や地域活性のヒントにもなりそうだ。