ドローンによる離島物流の社会実装実験を実施 笠岡ふれあい空港〜白石島間でレベル3.5飛行を活用、災害時のインフラ活用も視野に

ドローンによる離島物流の社会実装実験を実施 笠岡ふれあい空港〜白石島間でレベル3.5飛行を活用、災害時のインフラ活用も視野に
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一般社団法人日本ドローンビジネスサポート協会は、岡山県倉敷市の一般社団法人MASCのドローン部会員として、岡山県笠岡市の「笠岡ふれあい空港」と「白石島ヘリポート」間におけるレベル3.5の危険物輸送を含むドローンによる離島物流の社会実装実験を実施した。

本実験は、一般社団法人MASCドローン部会が行った社会実装試験を支援する形で実施されたものであり、今後の離島物流ネットワークの構築や「空飛ぶクルマ」の運航ルートとしての展開も視野に入れている。

目次

離島物流の社会課題とドローン活用の背景

人口減少や高齢化、海上輸送の人手不足、災害時の迅速な物資輸送など、離島地域では持続可能な物流システムの構築が喫緊の課題となっている。こうした課題に対し、既存空港関連施設をドローンの離着陸拠点として活用することで、効率的かつ持続可能な物流ネットワークの実現可能性を検証した。

実証実験の概要と使用機体

本実験は、2025年2月23日(日)に岡山県笠岡市の笠岡ふれあい空港から白石島ヘリポートまでの約9kmの海上区間において実施された。使用した機体は大型ドローン「DJI FlyCart 30」であり、以下のスペックを有する。

  • 機体重量:65kg
  • サイズ:2,800mm×3,085mm×947mm
  • 最大飛行距離:16km
  • 最大飛行時間:18分

危険物を含む輸送物資と梱包対応

今回輸送された物資は、ポータブル電源と衛星通信機器「StarLink Mini」であった。ポータブル電源は危険物に指定されており、今後の多様な輸送ニーズや災害時への対応を見据えて、厳格な安全基準のもとで専用の防火梱包を施し、安全性を確保した。災害時の通信手段として、StarLinkとあわせた輸送を行った。

先進的な運航方式を導入

本実証では以下の先進的運航方式を採用した。

  • レベル3.5による補助者なし目視外飛行(BLOS)
  • パソコンからの遠隔操作による完全自動離着陸の実施
  • 上空SIMによる安定した通信環境の確保

これにより、将来的な完全自動運航や遠隔制御による広域物流の技術基盤を構築する検証が行われた。

申請情報・飛行ルート

  • 航空局管理番号:DBA2502-01
  • 承認書:阪空運航第40300号
  • 飛行内容通知書:RJDR 0422/25

飛行ルートは笠岡ふれあい空港から白石島ヘリポートまでの約9kmで、復路も含めた自動航行による往復飛行が行われた。

飛行ルート

協力体制と地域連携

本事業は以下の自治体・企業の協力により実施された。

  • 笠岡市
  • 瀬戸内エンジニアリング株式会社
  • 株式会社DronePartner’s
  • 株式会社MITINAS

これらの機関と連携することで、地域に根ざしたドローン物流の運用モデル構築を目指している。

今後の展望

本実装実験で得られた知見は、離島地域におけるドローン物流実装に向けた重要な基礎データとなる。今後は安全性や効率性のさらなる向上を目指して実験結果を詳細に分析し、実用化に向けたロードマップの策定を進める。

また、より大型の無操縦者航空機による物資輸送や、空飛ぶクルマのルートとしての活用など、次世代モビリティによる地域課題解決に向けた取り組みを加速していく方針だ。

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