NPO法人グッドライフは、ミャンマー避難民の子どもたちを支援する学校「NBLC(New Blood Learning Center)」に対し、1,200個のランドセルを寄付した。併せて、学校初の学園祭も開催され、その様子を記録した動画がYouTubeで公開されている。
ランドセル寄付の経緯と目的
ランドセルの寄付は、下関市の「平成の会」からの依頼を受けたことに始まる。数年かけて集められた1,200個のランドセルの受け入れ先を探す中で、以前から支援を行っていたNBLCへの寄付が決定した。
NBLCは、ミャンマーとタイの国境沿いにあるターク県メーソート市に位置する、ミャンマー移民の子どもたちのための学校。2023年9月の在籍生徒数800名から、2024年9月には1,200名にまで増加しており、背景にはミャンマーで激しさを増す内戦と空爆による避難者の増加がある。
寄付されたランドセルのうち半数はNBLCで使用され、残りはミャンマー側とタイ側にある避難民キャンプの子どもたちへ届けられた。寄付は2024年12月に実施され、その過程を追ったビデオも制作・公開された。
初開催となった学園祭の企画と想い
ランドセルの寄付を機に、「学校で楽しい思い出を作ってほしい」という願いを込めて、NBLCで初となる学園祭が開催された。学園祭では、校舎の壁へのペインティング、食べ放題のフリーフード、民族ダンス、音楽、スポーツ大会などが実施され、子どもたちにとって楽しい1日となった。
寄宿生活を送る子どもたちの中には、夜のジャングルをくぐり抜けてタイ側に逃れてきた経験を持つ者や、収容施設での虐待を経験した者もいる。そうした過酷な背景の中で、学園祭は子どもたちにとって貴重な体験となった。
寄付と学園祭の記録映像をYouTubeで公開
ランドセル寄付と学園祭の記録として、2本のビデオが制作された。単なる物資支援ではなく、日本からの想いと支援の背景を伝えることを目的に、ビデオには英語とビルマ語の字幕をつけてYouTubeに公開。NBLCの壁画横に設置された記念プレートには、動画にアクセスできる二次元コードが印刷されている。
これにより、子どもたちが人生の節目で思い出を振り返る手段として、映像という形で記録が残されている。
今後のミャンマー支援と地震被害の影響
NBLCでは地震による大きな被害は報告されていないが、地震後もタイ側への避難者は増加している。NBLCに寄宿している生徒の中には、ミャンマー側の避難民キャンプ(IDP)から奨学金を得て通う子もおり、年間で約10万円の支援が必要となる。
NPO法人グッドライフでは、日本の不要品、とりわけ学用品の寄付を通じて、引き続きミャンマーの子どもたちへの支援を行っていく。軍事政権の影響で国際支援が届きにくい現状の中、民間による継続的な支援の必要性が高まっている。