現場DXサービス「KANNA(カンナ)」を提供する株式会社アルダグラムは、茨城県つくば市と共同で実施していた公共施設整備業務に関する実証実験の最終報告を発表した。
本実証では、施工管理業務のDX化に向け、情報の可視化や共有の迅速化を目的に「KANNA」を導入。その結果、つくば市職員の残業時間が約26.5%削減されるなどの効果が確認された。
目次
業務の属人化やタスク管理に課題
つくば市では都市開発の進展に伴い、公共施設の新設・改修業務が増加。公共施設整備課では紙ベースの運用や人手不足により、業務の属人化、タスク管理の困難さ、非効率なメール連絡といった課題を抱えていた。
今回の実証実験では、以下の業務に「KANNA」を導入し、検証を実施した。
- 中根・金田台地区小学校建設工事などの工事案件
- つくばカピオ長寿命化改修などの設計業務
- 約130件の修繕工事予算算出業務
チャット活用で残業削減、協力会社も高評価
チャット機能の導入により、職員は外出先でも図面や情報の共有が可能となり、業務効率が向上。結果として、残業時間が約26.5%削減された。
また、協力会社に実施したアンケートでは、約80%が「業務効率化を実感」と回答。関係者との情報共有についても、90%が「タイムリーになり効率化された」との結果が得られた。
職員コメント「KANNA導入でタスク管理・情報共有が改善」
つくば市公共施設整備課の吉原寛係長は、「KANNA」によりタスクの可視化やクラウド上でのデータ共有が可能になり、課題であった情報共有が容易になったとコメント。監督業務の効率化を実感したと述べている。
今後の展開
今回の実証実験を受け、つくば市では本格的な導入を検討中。公共施設整備課にとどまらず、庁内の他部署への展開も視野に入れており、災害時の迅速な情報共有や進捗管理の改善など、さらなる業務効率化が期待されている。