東京都日野市にある「多摩トキワソウ団地」にて、若手マンガ家育成に取り組むNPO法人LEGIKAが、拠点参加者の活動実績を調査した結果、プロデビュー経験者が全体の3割を超え、連載経験者も2割近くに達したことが明らかになった。住まい単位での実績調査結果の公表は、トキワ荘プロジェクトにおいて初の試みとなる。
創作活動の段階に応じた支援環境を整備
「多摩トキワソウ団地」は、トキワ荘プロジェクト最大の拠点として、44名の若手マンガ家が暮らしながら創作活動を行っている。今回の調査では、商業デビューを果たした参加者が14名(約31.8%)、連載経験者は8名(約18.2%)、さらに受賞歴のある者は29名(約65.9%)に上った。
LEGIKAは今回の結果を踏まえ、商業作家としてスタートを切る層、商業作家を目指し始めた層、そして基礎を固める段階の層がそれぞれ約3分の1ずつ存在していると分析。中でも連載経験者が一定数在籍することにより、後進に強い刺激と成長機会をもたらしていると評価している。
地域に根ざしたクリエイターエコノミーの構築へ
「多摩トキワソウ団地」は、JR中央線豊田駅から徒歩8分の場所に立地し、原則1ユニット3室で共同生活を行う仕組み。住環境と創作環境が融合したシェアハウス型の仕組みにより、若手作家の創作活動を支えている。
LEGIKAは今後も、参加者同士が切磋琢磨できる環境づくりを進めるとともに、多摩エリアにおける「クリエイターエコノミー」の土壌拡大に寄与していく方針だ。
トキワ荘プロジェクトとは
トキワ荘プロジェクトは、「共に暮らし、共に競い、共につくる」をコンセプトに、マンガ家志望者が共同生活を通じて創作活動に励む仕組み。これまでに累計199名のプロデビュー者を輩出し、著名なマンガ家も多数登場している。現在は、直営3棟・提携2棟の計5棟で、62名の参加者が活動している(2025年3月時点)。
代表的な卒業作家には、西修氏(『魔入りました!入間くん』)、カメントツ氏(『こぐまのケーキ屋さん』)、藏丸竜彦氏(『数学ゴールデン』)などが名を連ねる。
今後も地域に根差したマンガ人材の育成拠点として、若手の夢を支える場づくりを継続していく。
【多摩トキワソウ団地URL】
https://tokiwa-so.net/tokiwa-so/list/tamatokiwasodanchi
【トキワ荘プロジェクトURL】
https://www.tokiwa-so.net/