熊本市は、株式会社PR TIMESと産業振興に関する連携協定を締結した。本協定は、地域内のスタートアップや中小企業の広報支援や人材育成を通じて、情報発信力を高め、地域経済の活性化を目指すものである。
スタートアップや地場企業の“声”を全国へ
熊本市はこれまで、起業家支援やコミュニティ形成を目的に、ビジネス支援施設「XOSS POINT.」を中心とした産業振興策を展開してきた。一方、PR TIMESは、全国の自治体や地域金融機関と連携し、プレスリリースを通じて地域企業の情報発信を支援している。
両者の連携により、情報発信力の強化と広報人材の育成に取り組み、熊本市内のスタートアップおよび中小企業の認知向上や販路拡大を後押ししていく。
協定に基づく具体的な支援内容
協定では、以下の3点を柱に産業振興を進めていく。
- スタートアップおよび中小企業の広報支援
- 広報人材の育成支援
- その他、熊本市域内の産業振興に資する取組全般
これに基づき、以下のような施策が実施される。
① 熊本市×PR TIMESプログラムの提供
熊本市内のスタートアップや中小企業に対し、一定条件のもとでPR TIMESのプレスリリース配信を無償提供。情報発信を促進し、新たなビジネス機会の創出を支援する。
② 広報セミナーやワークショップの開催
経営者やマーケティング担当者を対象に、プレスリリースの基本から実践までを学べるセミナーを開催。PRの考え方やリリースの書き方などを体系的に伝え、事業に広報を活かす力を育てる。
③ 熊本市職員への広報PR支援
市職員の広報力向上を目的に、PR TIMESの無償提供や研修プログラムを実施。自治体自身の発信力強化にもつなげていく。
「地域の挑戦を全国へ」——思いを共有した連携
PR TIMESの山口拓己社長は、「熊本地震からの復興に向け、地域を盛り上げてきた熊本市の姿勢に深く敬意を抱いている。地域の挑戦に寄り添いながら、情報発信の力で支援していきたい」と語る。
また、大西一史市長は、「本協定が熊本市の産業振興を一層後押しするものとなることを期待している」とし、今後もXOSS POINT.を起点とした起業支援やコミュニティづくりを継続していく考えを示した。
情報発信が“地域の価値”を高める
今回の協定は、単なる広報支援にとどまらず、地域企業のブランド力や存在感を高め、持続的な産業成長へとつなげていくための基盤づくりといえる。プレスリリースという「行動の結晶」を通じて、地域の挑戦を全国へ届ける——その先にあるのは、自治体と企業が共に築く未来の地域経済である。