神奈川県は4月18日、県内で活動する3つのシニア劇団の劇団員を追加募集することを発表した。年齢や障がいの有無を問わず誰もが舞台芸術を楽しめる「共生共創事業」の一環として設立された劇団で、今回の募集を通じて、シニア世代の活躍の場を広げ、地域のにぎわいづくりを後押しする。
60歳以上なら演劇未経験でも応募OK
募集対象となるのは、横須賀シニア劇団「よっしゃ!!」、綾瀬シニア劇団Hale、小田原シニア劇団チリアクオールディーズの3劇団。原則として神奈川県内に在住または在勤している60歳以上の人で、週1〜2回の稽古や年1回以上の公演への参加が可能であれば、演劇経験は問われない。募集期間は5月16日(金)まで。各劇団とも若干名の募集となり、応募多数の場合は抽選または選考が行われる。
応募方法や連絡先は、共生共創事業の公式ウェブサイト(https://kyosei-kyoso.jp/events/senior2025/)で確認できる。
文化芸術の力で共生社会を目指す「共生共創事業」
共生共創事業は、神奈川県が推進する文化芸術による共生社会の実現を目指す取り組み。「ともに生きる ともに創る」をテーマに、年齢や障がいの有無に関係なく、誰もが舞台芸術に参加できる環境づくりを進めている。
シニア劇団のほかにも、障がいのある人が参加する公演や、ダンス企画「チャレンジ・オブ・ザ・シルバー」など、様々な取り組みを展開している。
各地の劇団で続く自主公演と地域との協働
各劇団は地域と連携しながら、継続的に活動を展開している。横須賀シニア劇団は令和元年の設立以来、8回にわたる公演を実施。小田原シニア劇団では、舞台に加えてラジオドラマの制作にも取り組んでいる。綾瀬シニア劇団では、動画配信を活用したオンライン公演も行ってきた。
高齢化が進むなかで、シニア世代の創造性と地域をつなぐ舞台芸術の取り組みは、孤立防止や心の健康、地域コミュニティの活性化にも寄与している。
演劇を通じて「新たな自分」と出会い、「新たな仲間」とつながる――そんな出発点としての舞台が、いま神奈川県で広がっている。