泉大津市と旭川市が発表したオーガニックビレッジ宣言とは 生産地と消費地をつなげる取り組み

全国初のオーガニックビレッジ宣言
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大阪府泉大津市は7月17日、北海道旭川市と全国初となる「生産地」と「消費地」の2者間におけるオーガニックビレッジ宣言を7月11日にしたと発表。

今後両市間では、泉大津市の子どもたちが旭川市へ農業体験に行き、食や有機農業について学ぶ「グリーンツーリズム事業」や、泉大津市内の大規模イベントでの旭川市産有機農作物のPR、旭川市内における有機農業の拡大など「旭川市×泉大津市」による農業連携のモデルケースを創出し、有機農業を推進していく。

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泉大津市の学校給食では旭川市産米の活用連携を始めている

泉大津市と旭川市は令和5年3月に「安全・安心な食糧の安定的確保に関する構想」を策定している。これは、泉大津市における市民の健康増進、食糧危機への備え、国内の農業の持続的発展の観点から始まった。

旭川市としても、農林水産省が掲げる「みどりの食料システム戦略」を踏まえ、地域ぐるみで有機農業を推進。旭川ブランドの確立・安定的な生産につなげ、農業従事者の減少や遊休農地の解消、農家の収入の向上などの農業課題の解決に取り組んでいた。

今回発表した2者間におけるオーガニックビレッジ宣言の取り組みについて、両市長のコメントは以下のとおり。

旭川市 今津市長
今回の宣言は、旭川市の有機農産物の販路が、泉大津市を中心とした関西圏域へ広がることが期待できる。本市としても、環境に配慮した農業の拡大や、慣行栽培より高付加価値となる有機農業への転換に対して支援している。これを機に、有機農業に取組む農業者が増え、旭川の農業の力を更に高め、生産者の所得向上に繋げていきたい。今後もさらなる食の交流、BCPなどの両市の連携、グリーンツーリズムなどを通じた市民同士の交流も進めたい。

泉大津市 南出市長
都市部が安定した販路として農山村地域に働きかけ、双方の課題を解決できる共存共生の関係性を構築することが非常に重要であると考えている。今回の宣言をきっかけに、旭川市と密な連携を図り、子どもたちにより安全で美味しい給食を届けるとともに「生産地×消費地」を繋ぐオーガニックビレッジを実現し、本取組みが農業連携のモデルケースとして全国各地へ広がることで、日本の持続可能な農業に貢献していきたい。

2025年までに100市町村でオーガニックビレッジ宣言を目指す

オーガニックビレッジ宣言は、みどりの食料システム戦略を踏まえた取り組み。農林水産省が推進している施策のひとつだ。

泉大津市と旭川市の取り組みのように、有機農業に地域ぐるみで取り組む産地(オーガニックビレッジ)の創出に取り組む市町村を支援することが目的だ。農業者だけでなく、事業者や地域内外の住民を巻き込んだ取り組みであり、先進的なモデル地区を順次創出し、横展開を図っていく考えが農林水産省にある。

泉大津市と旭川市は生産地と消費地の2者間でのオーガニックビレッジ宣言ではあるものの、単独でのオーガニックビレッジ宣言を発表した地域は、2024年6月25日時点で124の市町村がある。県ごとの取り組み市町村数は兵庫県が最多で「9」の市町が宣言している。

2025年までに100市町村、2030年までに200の市町村がオーガニックビレッジによる取り組みを進める目標を農林水産省は設定している。2023年度時点では93市町村が同宣言を発表していたところ、2024年度時点で124市町村まで大幅に増加したこともあり、宣言および取り組みの推進は大きく加速している。

今回宣言を発表した泉大津市と旭川市それぞれの市長のコメントにもあるとおり、生産と消費による連携強化とモデルケースの創出にもつながる点に大きな期待が寄せられる。

農業事業者としても販路の拡大などの可能性も大いに秘めているため、農業従事者の所得の向上などにもつながるとされる。

全国初のオーガニックビレッジ宣言

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