茨城県境町、下水道管内の点検にドローンを活用 有毒ガスや雨水の流入による困難環境での作業も可能に

茨城県境町、下水道管内の点検にドローンを導入
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茨城県境町は、2025年3月3日、町内の下水道管内の調査に閉鎖環境点検ドローンを活用し、点検作業を実施した。この取り組みは、老朽化が進む上下水道管の安全性を確保し、事故を未然に防ぐことを目的としている。調査業務は、産業用ドローン開発を手がける株式会社ACSLに委託された。


目次

ドローン活用による点検のメリット

従来の点検方法の課題

これまで下水道管の点検は、作業員が直接内部へ進入し、目視で確認する方法が主流だった。しかし、この方法には以下のような安全上の課題があった。

  • 有毒ガス発生のリスク
  • 雨水の流入による作業の困難化
  • 管路内の劣化に伴う崩落の危険性

このような高リスク作業の負担を軽減し、作業員の安全を確保するため、ドローンを活用した点検が導入された。

点検ドローン「Air Slider® Fi4」の特徴

今回の点検では、株式会社ACSLが開発した「Air Slider® Fi4」が使用された。この機体は、株式会社NJSと共同開発されたもので、下水道管の調査に適した高い機動性と耐久性を備えている。

主な特長

  • 安定した飛行性能:閉鎖空間内での飛行が可能
  • 防塵・防水性能(IP55):下水道環境に適応
  • リアルタイム映像確認:専用アプリを搭載したスマートコントローラーで管内をモニタリング
  • 高精細な劣化診断:管のひび割れや腐食などの不具合を詳細に記録

ドローン導入による期待される効果

1. 安全性の向上

作業員が危険な環境に直接立ち入ることなく、遠隔での点検が可能に。これにより有毒ガスや崩落のリスクを回避できる。

2. 点検業務の効率化

従来の点検作業に比べて、短時間で広範囲を調査できる。人手不足が課題となるインフラ管理の現場において、大幅な業務効率化が期待される。

3. 精密な診断とデータ管理

ドローンが撮影した映像を解析することで、より精密な劣化診断が可能に。蓄積したデータを活用することで、中長期的なメンテナンス計画の策定にも寄与する。


株式会社ACSLとは

株式会社ACSLは、産業用ドローンの開発を行う企業で、自律制御技術を搭載した国産ドローンの提供に強みを持つ。特に、インフラ点検・物流・防災などの分野で多くの実績を有し、既存業務の無人化・省人化を支援している。

今後も同社の技術を活用し、全国の自治体と連携しながら、インフラ維持管理の高度化と安全性向上を目指していく。


境町の今後の展望

今回の点検結果を踏まえ、境町はドローン技術のさらなる活用を検討している。今後は、定期点検への導入や他のインフラ設備の調査など、広範囲での応用が期待される。

上下水道をはじめとするインフラ老朽化問題は全国的な課題だ。八潮市のような事故を再び起こさないためにも、いま自治体などは対応に追われている。そのなかでいま活躍しているのが境町が活用したようなドローンだ。ACSLやLiberawareなどの企業が点検用ドローンを提供しており、いまこれらの企業のドローンの活躍に期待がかかっている。

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