電通総研、ゼロカーボンシティ実現を支援するツールを開発 自治体職員でも容易に調整可能に

電通総研
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株式会社電通総研は7月29日、自治体のゼロカーボンシティ実現を支援する「脱炭素デジタルダッシュボード」を開発し、提供開始したことを発表した。このダッシュボードは同社のコンサルティングサービスとあわせての提供になる模様。

脱炭素デジタルダッシュボードは、温室効果ガスの現況推計から、施策効果の試算、将来推計の可視化、脱炭素化に向けた取り組みシナリオを比較シミュレーションできるダッシュボード。収集されたデータを活用し、自治体の地球温暖化対策計画策定を支援してくれる。

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多機能ツールにもかかわらず自治体職員でも容易に調整可能に

脱炭素デジタルダッシュボードをすることで、自治体は実効性の高いシナリオを選択し、持続可能な社会の実現に向けた効果的な地球温暖化対策計画を策定できるそうだ。なぜなら、部門・エネルギー源別に二酸化炭素排出量とエネルギー消費量の現況推計を実施し、さらに人口将来推計や地域特性に応じたシナリオをもとに、それらの将来推計も実施できるからだという。

脱炭素デジタルダッシュボードには、エネルギー統計データや地域活動量に関する統計データ(事業者数、製造品出荷額等)がプリセットされている。また、部門・業種別に二酸化炭素排出量とエネルギー消費量を多面的に可視化・分析できる機能も備える。そのため、自治体に適した算定手法で現況推計を実施する。

脱炭素デジタルダッシュボード

▲ ダッシュボード(現況推計)イメージ

また、国の地球温暖化対策計画の施策体系と削減原単位がプリセットされている。そのため、地域特性を考慮した省エネルギー・再生可能エネルギー導入実績や導入目安を追加設定することで、複数の取り組みシナリオによる将来推計を可能とした。これにより、地域ごとに最適なシナリオを検討できる。

脱炭素デジタルダッシュボード

▲ エネルギー消費量削減原単位

脱炭素デジタルダッシュボード

▲ 施策を反映させた将来推計

さらに、深堀分析可能なダッシュボードを構築してくれるのもポイントだ。部門別・エネルギー源別の深堀分析や取り組みシナリオのシミュレーションが可能なダッシュボードを構築する。集計数値の詳細を確認するためのドリルダウンやさまざまな分析軸でのデータ閲覧が可能であることにくわえ、ローコード開発されているため、自治体職員でも集計方法を容易に修正できる。

ゼロカーボンシティを実現するための計画策定は非常に困難

電通総研のプレスリリースによれば、「地域特性に見合う温室効果ガス削減効果の高い施策を複数の取り組みシナリオで比較検討し、予算や地域住民の意見も考慮して実現可能な計画として策定することは非常に難しい」と、ゼロカーボンシティの実現およびその策定の難易度の高さについて、多くの自治体が直面している現状に触れている。

ゼロカーボンシティ宣言は、多くの自治体が表明しており、現在では1,000を超える。これは2050年までに二酸化炭素の実質排出量ゼロを目指すもの。地域資源を最大限活用し、自立・分散型の持続可能な社会を目指す地球温暖化対策計画の策定に取り組んでいた。

この困難な課題を解決するために電通総研は脱炭素デジタルダッシュボードの開発に至ったという。

電通総研では、企業向けの脱炭素コンサルティングや自治体向けのDX推進など、これまで培ってきたノウハウをもっている。そして、このノウハウを生かし、温室効果ガス排出量の部門・エネルギー源別推計、地域特性に応じた将来推計、さらに多角的な深堀分析を可能とする本ツールを開発した。

同社は脱炭素デジタルダッシュボードで可視化したデータを用いて、現状分析や複数の取り組みシナリオの比較シミュレーションを実行し、自治体の地球温暖化対策計画策定を支援するコンサルティングサービスもあわせて提供していく。

静岡県藤枝市で実証実験 同市ならではのエネルギー排出・消費量も分析

脱炭素デジタルダッシュボードは静岡県藤枝市における「令和5年度 温室効果ガス排出量算定調査業務委託」にて、現況推計機能を実証している。排出量の推計から部門・分野・業種別、エネルギー源別にエネルギー消費量や活動量を深堀分析することで、増減要因や藤枝市ならではの排出量、エネルギー消費量の特徴を分析した。本ダッシュボードには、当該実証で得た知見も組み込まれている。

電通総研

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