支援者を“支援する”サービス、疲弊するNPOスタッフの現状 孤独や疲弊からくるバーンアウトを防ぐ

特定非営利活動法人 サービスグラント
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認定NPO法人サービスグラントは11月6日、「NPOメンタリングプログラム」をスタートした。これは、子育て中のママたちが2人1組の「メンター」となり、仕事や子育てで培った聴く力を活かして、NPO・地域団体等の代表やスタッフに3ヵ月間にわたって伴走するというもの。団体の運営上の困りごとや、個々の業務やキャリアについての悩みを聴きながら課題を整理し、次の一歩を共に考えていくプログラムだ。

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NPOの重要性が高まる中、職員への支援に課題

新型コロナウイルス感染拡大の影響等で孤独・孤立の問題が一層深刻化したことを受け、2024年4月に孤独・孤立対策推進法が制定された。NPOには、行政や企業の手が行き届かない領域での迅速な対応や、コミュニティの維持・強化における重要な役割が求められており、活動の重要性はますます高まっていた。

しかし、NPOはその多くが人材の確保や教育に課題を感じているという実態があった。

サービスグラントは、2005年に活動を開始し、NPO等の非営利組織へ1900件を超えるプロボノ支援を提供している。そのなかで、少人数で活動しているNPOにおいて、相談できる相手・機会が少ないためにスタッフが疲弊したり、キャリアを描けずに離職したりしてしまうケースを目にするようになっていた。

孤独・孤立の問題が深刻化するなか、増加する支援ニーズに向き合うNPO側からは、もっと質の高い支援を届けたい、もっと多くの人を支援したいと思っていても、それがままならないという悩みを抱えているという声も多く聞こえていた。

自身のケアが難しい「支援者」に寄り添う支援

そこで、2022年からトライアルを開始したNPOメンタリングプログラムでは、NPO等のスタッフや代表に、プロボノワーカー(プロボノ活動を行う社会人)が外部のメンターとして月2回、3ヵ月間にわたって伴走した。その結果、個々の業務やキャリアについての悩みを聴きながら課題を整理し、次の一歩を共に考えることで、モチベーションを維持・向上させ、受益者に対するポジティブな対応と継続的な活動の実現につながっていった。

2024年度は、内閣府 令和6年度 孤独・孤立対策推進交付金(孤独・孤立対策担い手育成支援事業)を受け、「孤独・孤立対策とした居場所づくり、緩やかなつながりづくりなどをしている団体」を支援する。本プログラムを通じて、支援者の孤独感や疲弊からくるバーンアウトを防ぎ、NPO運営の基盤強化につなげていくという。

実施概要

実施期間(1)メンター事前研修期間 2024年10月
※事前研修 2024年10月10日 21:00-23:00(オンライン)
※実践練習 2024年10月14日~25日(期間中にメンターのペアで1時間実施)
(2)メンタリング期間 2024年11月~2025年1月
(3)振り返り期間 2025年2月
※団体参加者とメンターでの振り返り 2月前半(1時間程度)
※メンター同士での振り返り 2月後半(1時間程度)
実施方法月に2回/1回40分程度/オンラインにて実施
団体参加者孤独・孤立対策とした居場所づくり、緩やかなつながりづくりなどをしている団体の代表・スタッフ
・子どもの居場所として学習支援や子ども食堂を運営する団体
・支援につながりにくく孤立した子ども・若者の社会参画を支援する団体
・障がい者や難病者の社会参画を支援・社会への啓もう活動を行う団体 など
11団体23名(18組※2組はグループメンタリングを実施)
メンター参加者子育て中の女性
・産休・育休取得後、復職済みの方・育児休業取得中の方・パートナーの方の海外駐在に同行されている方 など
36名(2名1組のメンター×18チーム)
参加費用団体・メンター共に無料
特定非営利活動法人 サービスグラント

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